出版社内容情報
【歴史/日本歴史】戦国時代、銃を手に僧兵が跋扈し、戦火に包まれたとされる根来寺。江戸時代に再興、新義真言宗総本山として君臨、現在も末寺を束ねる。平安時代末に開いた覚鑁の密教浄土観はなぜ広まったのか。宣教師が西洋に喧伝したものとは。文化伝承にみる日本仏教の特質。
内容説明
豊臣秀吉に焼き払われたといわれる根来寺。だが江戸初期、早々に復興し全国の新義真言宗の祖山として仰がれた。平安末の創建から900年に及ぶ歴史はどのように重ねられたのか。平安末、不世出の僧、覚鑁は、生きながらに往生する密教世界をかたちにあらわし、鳥羽上皇はじめ貴顕の篤い帰依をうけた。その智の情報の伝達を求め、根来寺へと全国から学生が結集、フロイスにより「3500人以上の学生を擁する」とイエズス会に報告された。度重なる法難のなか、学生らにより絶え間なく執行された法会は、まさに密教文化継承の営みである。根来寺の歴史を読み解き、日本における仏教文化伝承の実像を明らかにする。
目次
序章 根来寺九〇〇年の歩み
1章 覚鑁の教えとかたち―一二世紀
2章 学山へ―一三世紀
3章 根来寺盛衰―一四~一五世紀
4章 根来寺の智恵―一六世紀末~幕末
5章 根来寺現代考
著者等紹介
中川委紀子[ナカガワイキコ]
1948年生まれ。根来寺文化研究所主任研究員。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。日本仏教美術史専攻。1980年から根来寺本尊像などの文化財調査、境内の史跡指定にかかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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