出版社内容情報
【歴史/電気】1955年インドネシア・バンドン。「高碕さん、私はあなたをよくぞんじあげてますよ」と周恩来は笑顔で日中会談を始めた。中、ソに切り込み、敗戦国日本を国際舞台に再浮上させた財界人。今にないスケールの大きな人物の足跡。
内容説明
日本人満州引き揚げ、日中LT貿易、日ソ漁業権交渉等、戦後の難題に取り組み、ダムに沈む荘川桜の保存に尽力した経済人。敗戦国日本を再浮上させた桁外れな男の生涯を描き出す。
目次
1章 バンドン会議日本政府代表(一九五五年)
2章 生い立ち(一八八五‐一九一一年)
3章 創業(一九一一‐一七年)
4章 満州へ(一九三九‐四二年)
5章 敗戦(一九四五‐四七年)
6章 電源開発総裁、荘川桜(一九四七‐六二年)
7章 政治家への転身(一九五四‐六二年)
8章 LT貿易交渉(一九六二年)
9章 納沙布のコンブ漁安全操業(一九六二‐六三年)
10章 ワニを愛して(一九六四年)
著者等紹介
牧村健一郎[マキムラケンイチロウ]
1951年神奈川県生まれ。新聞記者、朝日川柳選者。早稲田大学卒業後、朝日新聞入社。校閲部、AERA編集部、学芸部等を経て、現在、文化くらし報道部be編集部(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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glaciers courtesy
6
戦後政治の隠れた大物、高碕達之助。しかしこんな凄い人だとはこの本を読むまで全く知らなかった。それにしても高碕の人生は胸躍る冒険譚のようだ。メキシコでスパイ容疑をかけられ、その保証人を頼んだ人が紹介してくれたのが若き日のフーバー大統領で、それが高碕の最大の米国人脈になったということも、鮎川義介が満州に失望して帰国し、満州重工業の総裁になることも、バンドン会議に日本代表として参加することになったことも、全て高碕達之助の人生に見事に吸収され花が開く。何かに「導かれている」というような表現がピッタリと感じるのだ。2016/02/01
こーき
1
缶詰会社の社長から、満州重工業の総裁や電源開発の総裁、さらには日中の関係を進展させたLT貿易の締結まで、幅広く活躍した高崎達之助。根っからの商売人でチャレンジ精神を持った人物だったからこそ、イデオロギー等に囚われることなく、様々な困難を乗り越えてこられたのではないか。2014/04/14
スプリント
0
親中派の政治家というイメージしかありませんでしたが政治家だけでなく経済人としての業績が大きい方だということを本書を読み知りました。動物好きで自宅にワニを飼っていたという意外な一面も知ることができました。2014/02/02
Yasuhiro Nishimura
0
◎2025/05/01