出版社内容情報
【自然科学/生物学】カビは身近だが意外に実態が知られていない。病因になるカビもあれば、チーズなど発酵食品を作るカビ、医療に役立つカビもある。カビの正体や作用、歴史を詳述しつつ、洗濯機、浴室、食品のカビなど身近な事例から、カビとのつきあい方を探る。
内容説明
ヒトの天敵!?それとも強い味方!?ヒトに害を与えもすれば、画期的な医薬品も生んでいる。醤油、日本酒、カツオブシ…日本の食卓には欠かせないカビ臭は不快だが、ルーペを覗けばそこはお花畑。共存の歴史と身近な事例に見る、カビとのつきあい方。
目次
第1章 カビとは何か(細菌、酵母、キノコとの違い;どんな生活をする? ほか)
第2章 食品とカビ(食品に生えるカビ;カビから得られる食品)
第3章 住居とカビ(洗濯機;エアコン ほか)
第4章 カビと健康(カビ毒;水虫 ほか)
第5章 カビと人の関わりの変遷(身近なカビのルーツ;ライフスタイルの変化とカビの変化 ほか)
著者等紹介
浜田信夫[ハマダノブオ]
1952年愛知県生まれ。農学博士。京都大学薬学部卒業。京都大学農学部大学院博士課程を経て、大阪市立環境科学研究所に勤務。長年にわたり、食品などに生えたカビについて市民からの相談を受ける。住環境のカビの生態について研究し、住宅、エアコンや洗濯機などのカビを解明。現在、大阪市立自然史博物館外来研究員。地衣類研究会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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やいっち
30
感想がどうこうじゃなく(前回、多少のことを書いた)、細心の常識を学びたかった。小生としては、実用的な知識じゃなく、カビの生態などについて細菌などとの絡みで知りたかったのだが、やや当てが外れたかな。こういうのをないものねだりって言うのかな。2018/08/24
たまきら
28
カビの研究だけでなく、一般からのカビの相談も受け付けている著者だから書けるのであろう、専門的なだけでなく一般人の目線でも紹介されるカビと人間の世界。一主婦として抱きしめたくなるのは、多くの場合カビの問題は奥様ではなく元々の住環境にあるという部分。この言葉で救われる過程は多いと思う!すごく面白かったので他にこの人の本がないのか調べてみたいです。2020/10/03
トムトム
24
お風呂・洗濯機・エアコン・ホコリの中。身近なカビを分かりやすく紹介!エアコンについているホコリを拡大して見たら、全部カビだったそうな。あのフワフワはカビの可能性が!?ホコリだと思って少量取って、少し目を離したらそのホコリが消えた!?もう一度やってじーっと見ていたら、ホコリが全部ダニで四方八方に動き出した!とか。人間が快適な環境は、カビにも快適。最近はカビが生えられない環境が増えているけれど、それは人間に快適なのだろうか?とか。最近のパンは放置して数か月してもカビが生えない。これは安全なのかしら?と思った。2020/07/31
びっぐすとん
13
図書館本。梅雨時に読むんじゃなかった。鼻がムズムズする。でも興味深い。人類の絶えず隣に暮らすカビ。人間の暮らしに合わせて寄り添うカビも変化していく。カビもしたたかだ。高級石鹸はカビにはご馳走。洗濯機はとにかく乾燥させる。お風呂上がりには熱いシャワーで流し換気する!反面、カビは発酵や薬への応用など、暮らしの役にも立っている。子供の頃乾燥中の鏡餅にカビが生えているのを見、かき餅がおやつで出た際「これカビてた鏡餅だよね?」と母親に聞くと「除いたから大丈夫よ!」と言われたっけ・・確かにお腹を壊したことはないけど。2019/07/24
海星梨
6
歴史というのは過大で、筆者の研究、現代の洗濯機やエアコンなどに頁が割かれて、フレミングなどには形だけ言及しているのみなので、「カビと人の生活史」くらいが正しいタイトルかと。時系列順にすら並んでませんし。昭和基地へ派遣された人たちが南極へ青カビを持ち込んだというのには和んだ。今の人類だって自然の一部で、その周縁にそれに適応した生き物がいるのは当たり前なんだなと再認識。ジャガイモだって、哺乳類が糞をすることで環境が変化して、根に栄養を溜める植物がでてきたというし、相互関係にあるんだって忘れちゃいけないな、と。2019/05/24