出版社内容情報
関東大震災下に起きた大杉栄虐殺事件。いまだに謎の多いこの事件の犯人として知られる帝国陸軍憲兵大尉・甘粕正彦。その彼が獄中生活、フランス時代を経て初めて満州に姿を現したのは、昭和4年7月であった。影響力は関東軍にまで及ぶといわれ恐れられた満州での後半生は、敗戦直後の自決によって終止符を打たれる。甘粕はどのような信念・心情をもって人生を送ったのか。膨大な資料、今となっては不可能な親族、関係者へ取材をもとに、近代史の最暗部を生きた男の人間性にせまる名著の復刊。
内容説明
謎の多い大杉事件の犯人として知られる憲兵大尉・甘粕正彦。巨大な影響力を持った満州国での後半生は、敗戦直後の自決によって終止符を打たれた。膨大な資料と親族、関係者への綿密な取材でその実像を掘り起こした伝記文学の名著を復刊。
目次
一 大杉栄殺害事件 大正十二年九月十六日(一九二三年)
二 軍法会議 大正十二年十~十二月(一九二三年)
三 獄中 大正十二年十二月~十五年十月(一九二三~二六年)
四 出獄 大正十五年十月(一九二六年)
五 フランス時代 昭和二年八月~四年一月(一九二七~二九年)
六 満洲へ渡る 昭和四年七月(一九二九年)
七 満洲建国 昭和七年三月(一九三二年)
八 満映理事長となる 昭和十四年十一月(一九三九年)
九 敗戦 昭和二十年八月(一九四五年)
著者等紹介
角田房子[ツノダフサコ]
1914年東京府(現・東京都)生まれ。作家。福岡女学校卒業後、ソルボンヌ大学へ留学するが、第二次世界大戦勃発により中退して帰国。60年代より執筆を開始。85年、『責任 ラバウルの将軍今村均』で新田次郎文学賞、88年『閔妃暗殺 朝鮮王朝末期の国母』で新潮学芸賞、95年、東京都文化賞を受賞。2010年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。