朝日文庫<br> 魂の秘境から

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朝日文庫
魂の秘境から

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022620590
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

現世での生きづらさ、生命の根源的な孤独。世界的文学『苦海浄土』の著者による、水俣・不知火海の風景の記憶と幻視の光景。朝日新聞に3年にわたり連載された遺作であり、著者最晩年の肉声。解説・上原佳久。

内容説明

「むかしの田園では、大地と空はひとつの息でつながっていた」。現世での生きづらさ、生命の根源的な孤独。世界的文学『苦海浄土』の著者による、水俣・不知火海の風景の記憶と幻視の光景。朝日新聞に3年にわたり連載された著者最晩年の肉声。

目次

少年
会社運動会
湯船温泉
避病院
石の物語
アコウの蟹の子
水におぼれた記憶
紅太郎人形
雲の上の蛙
海底の道
お手玉唄
大雨乞と沖の宮
魂の遠ざれき
何かいる 上
何かいる 下
熊本地震
ぽんぽんしゃらどの
花結び
原初の歌
あの世からのまなざし
女の手仕事
わが家にビートルズ
天の田植え
椿の蜜
石の神様
流浪の唄声
黒糖への信仰
原初の渚
なごりが原
食べごしらえ
明け方の夢

著者等紹介

石牟礼道子[イシムレミチコ]
1927年熊本県生まれ。まもなく水俣町へ移る。水俣実務学校卒業後、小学校代用教員を経て結婚。家事の傍ら詩歌を作りはじめ、57年、谷川雁らが結成した「サークル村」に参加、本格的に文学活動を開始。69年に『苦海浄土 わが水俣病』を刊行、70年に同作が第一回大宅壮一賞に選ばれるものの、受賞辞退。73年、マグサイサイ賞受賞。93年、『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2002年、朝日賞受賞、また新作能「不知火」上演。03年『はにかみの国―石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2018年逝去。享年90(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ぐうぐう

39
石牟礼道子の言葉は、なぜこんなにも説得力があり、響くのか。それは石牟礼の言葉に魂が宿っているからだ。そうとしか言いようのない、それは重く深い言葉だ。それでいて、彼女の言葉はまるで難しくない。特に晩年に綴られた本書の言葉は、とても易しく、優しい。美しかった水俣の海を知り、水銀廃液により汚れてしまった水俣の海を知っているからこそ、彼女の言葉はさらなる未来の水俣を想像できる。それでいて彼女は「文章を書くということも、魂が遠ざれきすることになってしまう」と零す。(つづく)2023/09/11

ネギっ子gen

39
『苦海浄土』の著者による、水俣の記憶と幻視の光景。朝日新聞に3年間連載された遺作であり、最晩年の肉声。豊富な本文写真が嬉しい。<わたくしのいまだに抱え続けているテーマに、生命の孤独というものがある。赤児というものは、どうやっても泣き止まぬことがある。泣き止まぬ赤児の孤独と、泣き止めさせられぬ母親とが、わたくしの潜在的なテーマといってよい/かつて『詩経』と題する、お経まがいの詩を作ったことがある。この世の果ての海を、蓮の葉に乗って漂うひとりの赤児の気持ちをうたったつもりだ/無明闇中/遠離一輪/流々草花>。⇒2022/03/12

chanvesa

29
巻末の渡辺京二さんの追悼の文章が哀惜を感じる。「この世に生まれてイヤだ、さびしいとグズり泣きしている女の子、あまりに強烈な自我に恵まれたゆえに、常にまわりと葛藤せざるをえない女の子を認め、カワイソウニとずっと思っておりました。」(211頁)この本には、「生命の孤独」(50頁)、「いっそう居場所がないという虚無感」(124頁)、「かくいうわたしも、現実の世界の中では親に保護されて養われてはいたものの、魂は常にあらぬところへ行ってしまって」(132頁)といった孤独感にあふれた直接的な言葉が多く感じた。2022/09/29

風に吹かれて

22
 水俣に生まれた著者が不知火海の人々と生きた記憶を中心につづった言葉たち。自分が言葉を発することもできないほど幼いころの記憶も記される。 これらの言葉を読んでいると、汚染されない風景のなかに生きていた頃の未生の、生まれる前に見た景色を忘れることなくこの世界を束の間だけ生きている人のような切なさを感じた。だから海を汚したものを許さずそこに生きる人々とともに活動し『苦界浄土』という形で私達が忘れてはならないものを残すことができたのだろう。 →2023/03/19

海燕

15
著者の晩年に新聞連載されたエッセイの集成で、その最終話は、亡くなるわずか10日前の掲載だ。長年、著者の編集者を務められた方たちの口述筆記によるものとのこと。各編は短いが、内容は豊かで無駄なく研ぎ澄まされた文章という印象を受けた。自身が「余計な言葉が、一つあってもいけません」という姿勢で推敲に取り組んでいたと解説で知り得心する。幼少時の体験が詳細に描かれ、晩年では熊本地震や見た夢についての記述も多い。事実と創作(幻?)の境界はどこかと読むうちに引き込まれていく。積んだままの「苦海浄土」読まないと‥2022/11/10

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