出版社内容情報
たいしてできもしないのに自信満々な人や、人よりできると思っている上司をよく見かける。実は、脳はうぬぼれやすいのだという。毎朝100~200本の学術論文に目を通す人気脳研究者が脳と科学の最新知見をつづる。占い師しいたけ.さんとの対談も収録。
内容説明
記憶力を高める方法とは?結婚後に絶望するカップルって?iPS細胞に心は宿るの?人気脳研究者が日々の研究や科学の最新知見を通し、「脳という装置をどんな風に考えたらいいか」に思いを巡らせて綴った一冊。知れば知るほど面白い脳のクセ。
目次
1 脳のクセを知る
2 記憶とは何か
3 ヒトをヒトたらしめるもの
4 「気持ちいい」を科学する
5 見えない世界
6 未来を考える
著者等紹介
池谷裕二[イケガヤユウジ]
1970年静岡県生まれ。薬学博士、東京大学薬学部教授。2013年、日本学士院学術奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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chiseiok
45
池谷先生の“脳モノ”は大好物、今回も楽しかった。最新の論文をネタにあっと驚くような知見を平易に楽しく解説してくれてます。更に今回はAIと人間の関係性についてかなり鋭く踏み込んでいて、囲碁や将棋なんか今や“ヒト”には難しすぎるゲームと化しているのだと。とは言えそこは筆者ならではの軽やかなスタンスで楽観視。たとえAIが創造性、直感、気遣いなどのスキルを備え始めたとしても、ヒト(の脳)にはそれに負けない柔軟性がある。ぜって〜何かしら人間しか出来ない仕事あっから共存出来まっせ…良いですね〜このスタンス(^。^)。2021/03/24
智湖@ベルばら同盟副会長
30
iPS細胞から作られた「脳」が話題に。脳研究者である著者も複雑な脳をこんなに早く試験管の中で再生出来るとは予想していなかったという 。この成功は今後の脳研究を二つの意味で大きく推進する。①ヒトの脳の発生を直接見られる②病気の解明。論文では「小頭症」の患者から得たiPS細胞で脳を再生すると同様の発達不全を示した。ー研究を継続していけば様々な病因や治療法の開発に役立つが、英国のように生命倫理的観点から全脳摘出実験を禁じる国も。再生脳は独自の神経活動をしている。この活動が「心」と無関係だとする確固たる根拠はない2023/02/20
びっぐすとん
19
大好きな池谷先生。今回も興味津々。人工知能に関して危機感を煽る記事もよく見かけるが、先生は人工知能とは共存できる、楽しむという能力はヒトだけのもの、ヒトは適応力を養い、人生を楽しもうというところに肩の力がぬけた。長寿や頭の良くなる薬が普通になる日も近そうだな。原稿執筆時の最新の論文を紹介しているところが科学の最前線という感じで、定説にはない新鮮さが良かった。世界では色んな研究がされていて、それだけヒトは疑問を感じ、それを解決したいと思う生き物なんだなと思うとちょっと誇らしい(私は何もしてないけど)。2021/03/11
こつ
10
元が連載らしく、ちょっとした科学知識が読みやすい長さで区切られていてすっきり読めます。知らなくても困らないけれど、知っていたらちょっと便利かもな知識盛りだくさんです。へー。2021/10/09
大先生
9
動機には、①「内部動機」(=純粋なヤル気。例:好きだから)と②「手段的動機」(=具体的な目標に向かうもの。例:出世したい、金持ちになりたい)がありますが、最終的によい成果をあげられるのは①のみの場合。①+②なら更に良さそうなものですが、①のみより結果がよくないそうです。私の場合、読書する動機なんて、【読書家ってかっこいいだろ的なオーラを出したい】【人から凄いと言われたい】【仕事で役立つかも】などという②に該当する動機がメインです。道理で読んだ内容が頭に残らないわけです(苦笑)もっと純粋に読書を楽しまねば!2021/11/18