出版社内容情報
2016年から1年をかけて、東北学院大学の金菱清教授とゼミ生たちが岩手・宮城・福島の被災地をまわって集めた「夢」にまつわる証言集。 被災者の方たちから「震災で亡くなった人が夢に出てきたらしい」という話を何度か耳にしたことをきっかけに、金菱教授のゼミ生たちが震災住宅などを回り、のべ200人以上の人から聞き取り調査を行って集めた27編を収録しました。 体の一部しか見つからず、母の遺体を抱きしめることができなかったと悲しむ女性の夢、妻と1歳の娘が何度も自分の夢に遊びに来てくれると話す男性のエピソード、友人に「行くなー」と叫んでも声が出ない夢を100回以上も見るという高校生の話など。悲しい夢から、心温まる夢までさまざまです。 大切な人との突然の別れを経験した人々がその悲しみを乗りて前向きに生きていく姿は、大切な人を想うすべての人にとって励ましとなる一冊です。(著者プロフィール)金菱清/かなびし・きよし1975年生まれ。関西学院大学社会学部教授。専門は災害社会学・環境社会学。社会学のフィールドワークの手法でさまざまな震災の記録を収集、保存する。著書・編著に『3.11 慟哭の記録―71人が体感した大津波・原発・巨大地震』、『呼び覚まされる霊性の震災学』、『3.11霊性に抱かれて』(すべて新曜社)、『震災学入門―死生観からの社会構想』(ちくま新書)などがある。
内容説明
最愛の子ども、両親、親友…東日本大震災で奪われた大切な人に夢でもいいから会いたい。その願いが叶い、亡き人と再会した被災者遺族がいる。彼らはどのような夢を見て、何を想うのか。東北の大学生たちが2016年末から約1年をかけて集めた夢の記録。
目次
1章 夢を抱き、今を生きる(やっと触れた懐かしい母のほお;あのとき「行くな」と言えていたら ほか)
2章 小さな魂たち(私たちを忘れないで;優からはみんなが見えているよ ほか)
3章 夢と現実の境界(「かあちゃん」と呼ぶ声が愛おしい;夢が教えてくれた新天地 ほか)
4章 夢を思考する(孤立“夢”援―なぜ震災後、亡き人と夢で邂逅するのか;学生たちの原稿に見た未来への光)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りん
takao
れんれん
エボシペンギン