出版社内容情報
古希をむかえ、同世代のおひとりさまの友人の死を経験した著者は、「次は私の番だ!」という切実な関心のもとに、医療・看護・介護の現場を垣根を越えて当事者感覚で取材した。この20年の収穫を大公開した「在宅ひとり死」のススメ。
内容説明
同世代の友人の死を経験した著者が「いよいよ次は自分の番だ」という当事者感覚をもって、医療・看護・介護の現場を取材して20年。孤独死ではない、人に支えられた「在宅ひとり死」は可能なのか。取材の成果を惜しみなく大公開。超高齢社会の必読書。
目次
み~んなおひとりさま時代の到来
死の臨床の常識が変わった
在宅死への誘導?
高齢者は住宅弱者か?
在宅ホスピスの実践
在宅死の条件
在宅ひとり死の抵抗勢力
在宅ひとり死の現場から
ホームホスピスの試み
看取り士の役目
看取りをマネージメントする
認知症になっても最期まで在宅で
意思決定を誰にゆだねるか?
離れている家族はどうすればよいのか?
死の自己決定は可能か?
死にゆくひとはさみしいか?
著者等紹介
上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人WAN理事長。日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニア。1994年、『近代家族の成立と終焉』でサントリー学芸賞、2011年朝日賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
182
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。上野 千鶴子、初読です。私は磯野浪平と同い年になったので、少し老後が気になる今日この頃です。本書を読んでいると暗く不安になります。コロッと死ぬか尊厳(安楽)死で逝きたいと考えています。尊厳(安楽)死法を成立させていただけないでしょうか?2019/12/25
yumiha
47
初めての上野千鶴子著書。『あなたはどこで死にたいですか?』(小島美里)は、介護についての著書だったが、本書は医療についての情報も多かった。自分がどんな死を迎えたいか?なんて出たとこ勝負、ちゅうのが私の本音。お気楽な私は、いっぱい管をつけて延命させられる病院死はいやだなぁ程度にしか思っていなかったのだが、一昨年今年と知人のホスピス死を知り、こっちのほうがいいかもしれないと思い始めていたところに、著者はおひとりさまの在宅死を提案されていた。そのためにあちこち取材し実態を調べたりなどしてまとめたのが本書。2023/04/11
ホシ
23
この年まで独り身だったら、もう一生独身だわな。というわけで読みました。上野氏は「孤独死」ではなく「在宅ひとり死」という言葉を提唱します。”ひとり死”は私のような者に限らず、全ての人が考えておいた方が良いです。社会保障費抑制を狙う政府の方針により、病院や施設で死を迎えづらくなり、昔ながらの家族形態が姿を消した現代では、既婚・未婚、子あり・なしを問わず「自宅で独り逝くあり方」を見据えておくべきだと思いました。いくつかの条件を満たせたなら「在宅ひとり死」も決して寂しくない、尊厳ある最期を迎えられそうです。2020/06/26
rokoroko
17
著者の本は何度か読んでるけどいつも「他人事のように書くな」と思う。つらつらとホスピスや今在宅看とりをする医師など書かれているけどそれは少数。家族はギリギリまで苦しんで経済的にしんどい施設を選んでる。たった今倒れたらと言う現実感が全くない。もうすぐ死にますよと誰かが教えてくれるのだろうか。癌や疾病などは見当がつくけど老衰は見通しが立たない。手探りで世話をし続ける家族にはなんか疑問の多い本だった。2021/03/18
ichigomonogatari
7
死ぬ時はやっぱり自宅がいい、という思いがますます強くなった。そのためには、医療・看護・介護がチームを組んで支えるというシステムが必要。家族が介護の全てを担うことはもはや不可能だからこそ。家族がいない方が「在宅ひとり死」が可能とは皮肉なこと。「死の自己決定」への疑問に共感した。人の気持ちはクルクル変わるものだもの。2021/11/03
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