朝日文庫
人はどうして老いるのか―遺伝子のたくらみ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 202p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022618924
  • NDC分類 491.358
  • Cコード C0195

出版社内容情報

【文学/日本文学評論随筆その他】人はなぜ老いて、死ぬのか。それは、あらかじめ決められた遺伝子プログラムだ。死が遺伝子プログラムの一環であるならば、あまりおおげさに死を受け取るべきではない。遺伝子で人生を見直し、潔い人生観を導く、著者ならではのエッセイ。

日高敏隆[ヒダカトシタカ]

内容説明

寿命が延び、死から解放されたかのように思える人間に立ちはだかる新たな問題、「老い」。人はなぜ老い、死ぬのか。すべての動物に決められた遺伝子プログラムを通して人生を見直し、潔い死生観を導く。動物行動学者ならではの視点が光る。老いと死についてのエッセイ。

目次

人はどうして老いるのか
「自己ペット化」した人間
何のために生きるのか
遺伝子のプログラムとは?
「育つ」「育てる」プログラム
「選択」と「学習」
性は何のためにあるのか
男と女
「老い」へのたくらみ
人生は人さまざま―『年齢の本』(その1)
五十代からの「老い」―『年齢の本』(その2)
人生とはシナリオを演ずること
死はそれほど大げさなことではない
「ミーム」

著者等紹介

日高敏隆[ヒダカトシタカ]
1930年東京都生まれ。東京大学理学部卒業、理学博士。動物行動学者。東京農工大学教授、京都大学教授、滋賀県立大学初代学長、総合地球環境学研究所初代所長を歴任。2000年に南方熊楠賞受賞、08年に瑞宝重光章受章。09年11月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

186
既読の日高せんせーの本のタイトルは、短編タイトルから選ばれており、本書もそうかと思ったのですが、タイトルの考察が綿々と綴られていました。その様に遺伝プログラムされているからと、言って仕舞えば身も蓋もないですけど、その理由は性差を持っている事も可成り重要であったり。遺伝プログラムに従うので有れば「満足感を得られる様に楽しく生きる事は矛盾せず」と言うのはナイスですね。2017年(没後)朝日新聞出版より発行ですが、最初は1997年講談社から『プログラムとしての老い』として出版されたみたい。経緯が気になる。2021/10/31

ふう

76
副題は「遺伝子のたくらみ」。20年前に書かれたものです。20年というと、遺伝子にに関する研究はかなり進んで変わった部分もありそうですが、日高氏の本だからと思い読んでみました。『動物が自分の遺伝子を残すために生きるように、人も個体との子孫を残すための遺伝的プログラムが組まれている。ただ、そのプログラムの具体化のしかたはその人次第である』…そこがむずかしいですね。プログラムされていない部分で、人は悩んだり苦しんだりしているのでしょうか。老いることを考えるより、生きることを考える方がいいのかもしれません。2017/01/20

阿部義彦

17
朝日文庫の新刊。日高敏隆さんですもの。そしてまさしくこれは面白過ぎて時間を忘れました。私も50代ど真ん中、実にタイムリーな問いでした。この中で日高さんは、本能とは言わないで敢えて遺伝的プログラムと言って、利己的遺伝子の考え(人類の為でなくあくまで当事者が自分の子孫を確保する為)を踏襲して敷衍しています。何故男と女が出来たのか。我々の遺伝的プログラムには、「人間の男」と「人間の女」この二種類しかない事。勿論ユーモアも!50歳は男には良い年ですね。女がyesと言ったら喜べるしnoと言ったらホットしますから。2017/01/30

ophiuchi

13
ドーキンスの利己的遺伝子をベースに、著者の解釈を加えて老化を遺伝子の必然的な振る舞いであるとしている。遺伝プログラムという言葉が多用されていて、男女でそれが異なると著者は言う。なるほど、それならトランスジェンダーがすっきり説明できる。2017/09/17

ジョニジョニ

12
人はなぜ老いるのか、それは人という種がもつ遺伝子のプログラムであり、自らの遺伝子をのこすために恋愛をし、子作りをし、子育てをする。「プログラムはだれのも同じである。ちがうとすれば、男のプログラムと女のプログラムとであって、この二つはやはりちがうだろうと、ぼくは考えている」という結論なんだとおもいました。野生動物に老体はおらず、老いるのは家畜とペットと、人間だけ。でもだからこそ、便利で快適なくらしができてる。短くまとめると冷たくなっちゃうけど、エッセイではないまとまった考えが読めて、ファンとして嬉しかった!2023/10/27

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