出版社内容情報
【文学/日本文学評論随筆その他】『あしたのジョー』『タイガーマスク』『巨人の星』など、現在でもリスペクトされ続ける名作コミックの原作者・梶原一騎。数多くの作品で読者の心をつかんだ天才は、しかしその栄光の裏で影も引きずっていた。人間・梶原一騎に鋭く迫る傑作ノンフィクション。
斎藤貴男[サイトウタカオ]
内容説明
『あしたのジョー』『タイガーマスク』『巨人の星』など、現在でもリスペクトされ続ける名作コミックの原作者・梶原一騎。数多くの作品で読者の心をつかんだ天才は、しかしその栄光の裏で影も引きずっていた…。人間・梶原一騎に鋭く迫る、傑作ノンフィクション。
目次
序章
第1章 スポ根伝説―栄光の時代
第2章 生い立ち
第3章 青春
第4章 『あしたのジョー』
第5章 栄光の頂点
第6章 狂気の時代
第7章 大山倍達と梶原一騎
第8章 どいつもこいつも
第9章 逮捕とスキャンダルと『男の星座』
第10章 梶原家の父と子
著者等紹介
斎藤貴男[サイトウタカオ]
1958年東京都生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。日本工業新聞記者、週刊文春記者などを経てフリーに。2012年『「東京電力」研究 排除の系譜』で第3回「いける本」大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅうと
18
今まで知らなかった梶原一騎の素顔を知ることができた。よかった。梶原一騎作品の読み方も変わりそう。2021/12/27
旗本多忙
18
どの様な内容が書かれているかは、題名でおおよそ推察できた。スポ根ものや、空手の大山倍達を語る上では必ず名前が出てくる。地位やお金や名声が上がると、人は良い方にも悪い方にも段々に変わっていくものかもしれない。しかし小説を読む上では、私ら読者にはそんな裏舞台などどうでもいい。作品が好きになれるかどうかだ。そういった意味では、漫画界で一時代を築いた梶原一騎は私は好きだ。私らが学生の頃に影響を受けたのは事実であるからだ。改めて、その人となりに触れた一冊であった。2017/03/19
Katsuto Yoshinaga
6
梶原一騎は、40代以上のおっさんの何割かが必ず食いつく素材だろう。呉智英氏をはじめとした漫画劇画評論が好きだった私は、本書を本屋で見かけてしっかり食いついた。台湾人歌手や格闘関連のスキャンダルについては、ほぼ同時代で見聞きしていたが、梶原氏の実父の経歴や氏の最盛期の作品群はリアルタイムには触れていないので、ひとつの出版史として楽しめた。しかし、本書を他人には薦めにくい。誤字脱字は多いし、漫画劇画史のある程度のバックボーンがなければ、実に読み難い(はずだ)。ちゃんと推敲してほしい。題材は良いのに残念な一冊。2017/03/05
神無威
5
梶原一騎の生き方には、共感できないけど、彼が数多くの名作を残したのは事実。手に入れたものを次々に自らの手で破壊していく様は、形は違うけど彼の劇画そのもの。それを名作として受け入れてる我々にも破壊衝動が眠っているのだろうか。2017/05/28
淡雪
3
新潮社で単行本として出たときの「夕やけをみていた男」というタイトルは、「虹の生涯」に匹敵するくらいすばらしいタイトルだったのに、なんでこんな説明調のものに改題しちゃうかなぁ。それだけで文春文庫版のほうがおすすめです。2017/04/02