出版社内容情報
【歴史地理/日本歴史】1945年8月6日のヒロシマをとらえたわずか5枚の歴史的な写真は、いかにして撮られたか。原爆の一閃により、全てがとまった広島で、爆心地をめざした者たちがいた。核と人間の姿に迫る唯一無二のドキュメント。文庫化にあたり大幅加筆修正。解説・竹西寛子
内容説明
昭和20年8月6日、原爆の一閃により広島の街が壊滅した―。あの日、地獄絵図を記録しながら記事にすることができなかった「爆心地のジャーナスリト」たちが残した証言や手記・写真などを軸に、ヒロシマ被爆の実相に迫る、唯一無二のドキュメント。
目次
序章 そのとき、ラジオ・新聞は…
第1章 それぞれの八月六日朝
第2章 広島壊滅のとき
第3章 あの日の五枚の写真
第4章 絵に残されたあの日の記憶
第5章 幻の原爆第一報
第6章 爆心地の夜
第7章 原子野の月
著者等紹介
小河原正己[オガハラマサミ]
1940年山梨県生まれ。テレビプロデューサー。64年NHK入局。教育、教養、ドキュメンタリー番組の制作に携わる。97年NHK出版に転籍。2004年よりフリー・プロデューサーとして、「日めくり万葉集」など制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
27
140ページあたりから先を読み進めている途中、電車の中だったが、どうにも涙腺が潤んでたまらなかった。被爆直後にかろうじて撮影された写真を、何十年も後になって、公開の場で自分の姿、さらに父親の背中を発見した人。有名な、階段に焼き付いた人影の人の子どもで、建物が改築されるとき、その石のかけらをもらい受け、母の形見にしたという話など、一発の爆弾がもたらした悲劇は、そのひとつずつが、深刻なドラマに簡単に転化してしまうほどの重大さを感じさせる。上巻だけでもいいかな、と思ったが、読み終わって下巻も読みたくなった。2015/07/18
korrya19
12
新聞記者たちとラジオ局の人たちを追いかけることで、ヒロシマに原爆が落とされた日の様子を描いたノンフィクション。 知らない出来事ではないけれど、どの視点であの日の様子を見るかで、原爆の恐ろしさを新たにすることができる。同時に戦争の不毛さも。2015/01/28
sasha
4
広島に原爆が投下された当日、何が起きたのかを伝えようとしたメディア関係者がいたんだよね。上巻で特に印象に残ったのは中国新聞社のカメラマンが原爆投下直後に広島市街で撮影した5枚の写真。あの日から行方不明になっていた息子の姿をそこに見出した家族がいたなんて。必死の思いで広島の被害を伝えようとした通信社の記者もいた。でも、それは大本営に握りつぶされてしまったのだけれど。「伝える側」からの貴重な記録だ。2017/06/02
micari
3
81.再読2018/09/22
かど
1
今年読んだ本のなかでいちばん印象に残っている本です。必読ですね。2014/08/10