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朝日文庫
一神教vs多神教

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022617651
  • NDC分類 165
  • Cコード C0114

出版社内容情報

【宗教/宗教】唯幻論をもとに文化や社会などを考察してきた著者が、欧米やイスラム社会をつくり上げた「一神教」を精神分析する。世界中で紛争を生み続ける一神教の特質を解き明かし、他者の価値観を認め、共存できる多神教的姿勢への転換を提案する。

内容説明

一神教は、己の価値観や正義を死守しようと異文化を攻撃する。現代に必要なのは、他者を認め、共存する多神教的姿勢だ―。唯幻論を基に社会や文化を考察する著者が、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の歴史に潜むトラウマを探り、今も紛争を生み続けるその理由を解き明かす。

目次

第1章 一神教は特異な宗教である
第2章 自我は宗教を必要とするか?
第3章 なぜ多神教は一神教に負けるか?
第4章 科学も一神教か?
第5章 正義はなぜ復讐するか?
第6章 一神教は戦争の宗教か?
第7章 イスラムはなぜ聖俗分離できなかったか?

著者等紹介

岸田秀[キシダシュウ]
1933年香川県善通寺市生まれ。精神分析の立場に立つ思想家。人間は本能が壊れて、現実を見失い、幻想の世界に迷い込んだ変な動物であるとの唯幻論に基づいて、自我、神経症、セックス、宗教、歴史、国家、文化など、人間に関するさまざまな現象を解明しようとしている

三浦雅士[ミウラマサシ]
1946年青森県弘前市生まれ。評論家、月刊「ダンスマガジン」顧問。「ユリイカ」「現代思想」、月刊「ダンスマガジン」、思想誌「大航海」などの編集長をつとめる。95年に『身体の零度』で読売文学賞、2002年に『青春の終焉』で伊藤整文学賞、また12年に『出生の秘密』『漱石』『人生という作品』などを対象に日本芸術院賞・恩賜賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らむだ

5
『一神教VS多神教』とあるが、宗教論というよりは文化論に近い。牽強付会の感は否めないが、それでも見当違いのこと言っているわけではなく、それぞれ論理的組み立てや論拠のようなものはあるので、非常に刺激的かつ楽しめる内容になっています。 2014/01/17

inaryoXD11

4
ときどき読みたくなる岸田先生の唯幻論。価値観が似ているのか、とても読みやすく、腑に落ちます。ちょっと古いですが、ぼく好みのテーマです。一神教は悪だと思っていますが、そのように決めつけるのも一神教的な考えであり、多神教的にはどう表現するのがよいのか? 一神教は中近東の風土病、人類のごく一部に発生したきわめて特殊な病気。歴史は一神教的なのか? 対談相手の三浦先生が深く突っ込みますが、岸田先生は誇張しません。科学について、政教分離とは、聖俗分離とは、非常によくわかります。まだまだ唯幻論を読みたいですね。2023/08/19

邑尾端子

4
一神教VS多神教というタイトルなので、文化人類学や宗教学の立場から双方の特徴などを比較しつつ違いを読み解いていくような趣旨の本だと思って手に取った。が、実際は語り手が一神教(キリスト教、イスラム教、ユダヤ教)を「ヨーロッパの癌」「世界史の諸悪の根源」等々と一方的に滅多打ちにしていく本(に読めてしまった)。勿論、実際は語り手は学問的立場に立っているのだろうとは思うのだが、対談形式で、あえて(?)面白く語ろうとしているせいか、偏見や思い込みで一神教を叩いているようにしか見えない箇所が多々あったのが少し残念。2016/08/31

水無月十六(ニール・フィレル)

3
文化論的立場から一神教と多神教について対話形式で書かれた本。対話形式だから余計そうなのかもしれないが、語り手の感覚に大きく依存した論が多く、根拠が薄すぎるせいでどこか胡散臭さを感じてしまう部分が多かった。キリスト教のヨーロッパが、イスラム教を駆逐する動きを正当化できたのは、聖俗分離がうまくいったたからだ、などの指摘は興味深いものがあったが、いかんせん前述の根拠不明点が気になって前半部分特に集中できなかった。語り手の指摘を元に文献をあたり、根拠を拾えれば納得のいく中身だとは思う。一視点としてはありだろう。2016/06/28

くろつるばみ

2
いろいろなことが腑に落ちた感じ。でも、この岸田説が広く一般に受け入れられることは・・・ないんだろうな。2015/10/12

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