朝日文庫
アウシュビッツを一人で生き抜いた少年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022617156
  • NDC分類 936
  • Cコード C0198

内容説明

子供が真っ先に「価値なし」と殺されたアウシュビッツで、奇跡的に生き延びた少年がいた。最後まで諦めないことを教えた両親の愛情と、助けを差し伸べた人々の勇気、そして幸運によって―。憎しみの感情を克服し、国際司法裁判所の判事まで務めた著者が綴る感動の記録。

目次

ルボフニャからポーランドへ
カトビツェ
キエルツェのゲットー
アウシュビッツ
アウシュビッツ死の行進
解放
ポーランド軍へ
オトフォツクからゲッティンゲンへ
新たな始まり
ゲッティンゲンの暮らし
アメリカへ
生き残って
第二の人生

著者等紹介

バーゲンソール,トーマス[バーゲンソール,トーマス][Buergenthal,Thomas]
1934年チェコスロバキア、ルボフニャ生まれ。ジョージ・ワシントン大学法科大学院教授。第2次世界大戦中、10歳でアウシュビッツ強制収容所に送られ、両親と離れ離れになるが、奇跡的に助かって解放される。父親は収容所内で死亡、母親とは終戦後に再会。親戚を頼って17歳で渡米。ウエスト・バージニア州ベサニー大学卒業後、ニューヨーク大学法科大学院にて法務博士、ハーバード大学法科大学院にて法学博士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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NAO

62
チェコで生まれ、ナチの迫害を逃れてポーランドに移住、アウシュビッツに送られながらも辛うじて生き残った少年時代を振り返って書かれた作品。ポーランドのゲットーに入って以降信じられないような幸運な偶然が何度も繰り返され、10歳の少年はアウシュビッツから生還することができた。作者は、このような幸運の原因を「自分たち親子は徐々に地獄の底へと落ちていったために、そういった場所での対処法を少しずつ身に付けることができた」からではないかと考えている。まずはポーランドのゲットーで、そこを退去させられた後の労働作業所で、⇒2023/08/02

テツ

28
アウシュビッツを生き抜いたこどもによる記録。死と暴力の嵐が吹き荒れる中をいくつかの小さな奇跡と彼を殺させまいとする幾人かの大人の助けを受けて死ぬことなく歩き続けた記憶は重く激しい。極限状況で表れる人間の極致。理性と誇りを保った善と澱み狂った邪悪。それら全てを見つめて生き抜いた彼は国際人権裁判所の判事となる。正義の姿とはどう表されるべきなのか。生きるということは何なのか。我々はどう生きるべきなのか。そうした疑問の根源である生を奪い去るホロコースト。激しいノンポリだけれどこれは繰り返してはいけないと強く思う。2017/06/01

♪mi★ki♪

25
内容はタイトルそのまま。原題「幸運な少年」。色々な要素が重なってホロコースト を乗り切った終戦時10歳。これだけ周囲に助けられたのは、本人の生まれ持った資質か?聡明なユダヤ人少年が、国際司法裁判所の判事になるまでの手記。教育も受けられないような状況の中、どうやったらこんな良い子が育てられるんでしょ?(*´-`)2018/08/15

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

24
10歳でアウシュビッツに両親と共に送られ、母と別れ父とも別れて、一人になりそれでも解放まで生き延びた少年の実話。運がいいとは言え目撃した恐ろしい殺人の数々。ほんの少しのナチスの同情心で死ななくてすんだ場面や、処刑される寸前まで誇りを失わなかった人の表情など、覚えていられた事を書き綴っている。たくさんのアンネたちのひとり。2021/05/10

井戸端アンジェリか

22
よくある悲惨な体験手記かと思いきや、前向きなお話だった。常に死と紙一重の状況で、この子の針はラッキーに止まる。未来を良くするために生き抜く運命だったのかな。ホロコースト関係の本を読んだ時にいつも気になっていた解放後の生活も書かれていて、また一つ勉強になりました。とても良作です。2019/12/13

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