内容説明
六者協議が出口を見いだせないまま、2006年10月、北朝鮮は核実験に踏み切る。小泉訪朝以来、朝鮮半島の核危機をめぐって各国はどんな駆け引きを繰り広げてきたのか。金正恩体制への移行を前に、緊迫の度を高める半島の今後を占う「著者へのクエスチョンタイム」収録。
目次
第7章 バランサー
第8章 銭其〓(しん)訪朝
第9章 中国台頭
第10章 六者協議始動
第11章 六者協議漂流
第12章 金正日南巡
終章
著者等紹介
船橋洋一[フナバシヨウイチ]
1944年北京生まれ。元朝日新聞社主筆。同北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長などを歴任。この間の報道、執筆で、ボーン・上田賞、石橋湛山賞、日本記者クラブ賞などを受賞。2011年9月から慶應義塾大学特別招聘教授。著書に、『内部―ある中国報告』(サントリー学芸賞)、『通貨烈烈』(吉野作造賞)、『同盟漂流』(新潮学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
10
北朝鮮の核問題~六者協議の話。米日韓朝ロ中がそれぞれどう行動をしたのか、どのように六者協議が破綻に至ったのかが説明されている。破綻に至った一番の責任はブッシュ政権だ。北朝鮮の核危機に真正面から対応しなかった。そうできなかったのは、ブッシュ政権の北朝鮮政策が、関与派と関与反対派(ネオコン)の真っ二つに分かれたことが原因だ。ネオコンが強硬な態度(例えば共同提案では核の全面廃棄までの期間を6ヶ月としたが、ネオコンは3ヶ月を主張し、結果、3ヶ月に修正)をとった。要するに北朝鮮に無条件降伏をつきつけるやり方だった。2016/02/09
Meistersinger
3
日米韓の食い違いなどを含み、最後にロシアを除く各国が得たものと失ったもの(得したのは調停者として中国のみ)を描いているが、北自身が核保有でどの様な未来を望んでいるのか混乱している可能性が強い以上、六者協議の崩壊は不可避だったのかもしれない(そして核問題解決なくして日朝関係の改善が不可能な事を考えれば、拉致被害者の救出も、小泉政権でのものが限度ではなかったのか)。北東アジア地域の恒常的安定化という外交政策は早すぎたのだろう2011/10/10
Meistersinger
0
上巻から続き関係各国(韓(続き)中)の関係者の証言を追った後は六者協議とその漂流(実質上の崩壊)を追っていく(カバーにある核実験は入っていない)。中国の対北窓口(外務省、解放軍以外にも党内にもある)や北が持つ重要性の複雑さ(核を除けば捨てても良いが、過去のしがらみも)は印象的。2011/10/09
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