朝日文庫
司馬遼太郎が発見した日本―『街道をゆく』を読み解く

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022616272
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

内容説明

司馬遼太郎の代表作の一つである『街道をゆく』。その全43巻に登場する街道について、司馬文学研究の第一人者が歴史的・文明史的視点で切り込む。司馬が“あえて書かなかった”物語とは?執筆の動機付けと大胆に推論する三島由紀夫事件との関連とは?これまでにない画期的な司馬遼太郎論。

目次

司馬遼太郎が描いた“もう一つの美しい日本”
梼原街道―志士を抱きとめた梼原の土地
湖西のみち近江散歩―永遠に失なわれた日本人の原郷
白河・会津のみち―憧れとしての陸奥から幕末の会津へ
高野山みち紀ノ川流域―『高野山みち』のひたすら、『紀ノ川流域』の自在さ
三浦半島記―関東武士の「一所懸命」
韓のくに紀行―“私のなかの朝鮮”を辿る旅
神田界隈甲州街道―土地語りから「彼」の物語へ
沖縄・先島への道―沖縄幻想行のような色調
台湾紀行―「文明」としての台湾発見の旅〔ほか〕

著者等紹介

松本健一[マツモトケンイチ]
1946年群馬県生まれ。評論家・麗澤大学教授。東京大学経済学部卒業。法政大学大学院で近代日本文学を専攻、在学中の評伝『若き北一輝』で注目される。1995年『近代アジア精神史の試み』でアジア太平洋賞、1998年『日本の近代』で吉田茂賞、2005年『評伝北一輝』で毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

17
司馬さんの著作にはまり、愈々「街道をゆく」全巻制覇を目標に据えました(何年かかることやら)。そのガイドを探していた所本書を発見。ビジュアル版『街道をゆく』50冊の松本さんの解説を集めたものです。松本さんによれば、司馬さんが同書で著わそうとしたのは、日本人の精神。それは「コンクリートの風景にコチコチに固められた」日本ではなく、土地に執着し、水とコメの文化をつくり、詫び寂びの境地に至り、不合理と合理性が入り交じり、小さき微かなものへのあくがれ(憧れ)を秘めた日本。その風土紀行と歴史考察の書です。さあ船出します2024/07/20

がんぞ

3
『街道をゆく』諸篇を、丁寧に読みこんで「読むポイント」を解説。本編は二十数年続いたが、松本も『週刊街道をゆく』毎号全60回。明治の夏目漱石、好戦的『三国志』から敗戦受容の諦観『新平家物語』に至った昭和吉川英治に続いて司馬を第三の《国民作家》と位置づけ。好んで辺境に生きる人々を探訪する司馬、たとえば本郷は、江戸時代では端っこである。江戸以前からの商品経済に伴う合理精神、技術革新の工夫計算力が短期間に世界の大国となる飛躍を可能にした。さらに、歴史上の話題として出てくるはずの天皇の影を極力捨象しているとは良指摘2013/10/15

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