内容説明
明治15年12月末日、サトウは3回目の賜暇で帰国の途についた。文久2年に19歳で初めて日本の土を踏んでから20年、その日本在勤の時期もおわろうとしていた。サトウが駐日公使として再び日本に戻るのは、12年後、明治28年のことである。大河ヒストリー、堂々の完結。
目次
朝鮮視察
朝鮮開化派
パークス
離日
著者等紹介
萩原延壽[ハギワラノブトシ]
1926年、東京・浅草に生まれる。東京大学法学部政治学科卒業。同大学院修了後、ペンシルヴァニア大学、オックスフォード大学へ留学。帰国後は、研究・著述に専念する。2001年10月没。著書『馬場辰猪』(吉野作造賞)、『東郷茂徳―伝記と解説』(吉田茂賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
59
アーネスト・サトウの日記ということで最後の巻は来日してから3回目の離日をします。その後英国公使として戻ってくるのですが、とりあえずはここで終わりということです。外国人があまり偏らない感じでみた日本ということで資料の価値は高いと思いました。しかしこれだけの資料を分析してまとめあげた著者も大変なものだと感じました。2015/06/27
ホークス
47
英国外交官アーネスト・サトウの評伝。最終巻は朝鮮との外交から始まるが、問題が錯綜する中、39才のサトウは賜暇で帰国する。上司パークスは英国の利権を徹底して追求した。日本贔屓のサトウは彼を嫌いつつ、自分の甘さも学んだ。賜暇中に思いがけずタイ総領事に昇進。パークスと同じノンキャリアからの抜擢だが、本書の詳述はこの辺まで。サトウは日清戦争直後に52才で日本公使、57才で清国公使となる。サトウの強みは語学などの学識と、異境に飛び込める好奇心。世界史と日記を行き来する、巨視と微視の慌しい旅のような読書だった。2022/04/20
翔亀
35
【サトウ14】全14巻をやっと読み終えた。第1巻の感想を書いたのが6月25日だから、そこから数えて4か月もかかっている。この間、他の本はほとんど読んでいないので、この本にかかりっきりだったわけだ。もっとも、この間は読書から離れ、山旅に夢中になっていた時期に重なるのではあるが。ある意味、アーネスト・サトウに触発されながら、彼と共に旅をしていたともいえる。そもそも彼を知ったのは、日光の山旅で6月18日に中禅寺湖畔の「旧英国大使館別荘」に立ち寄ったのがきっかけだった。ここは、もともと英国大使のサトウの別荘で、↓2022/10/15
huchang
4
サトウが幕末から明治初期にかけてつきあいのあった人物のほとんどが日本を動かす地位にいるというのは、誰とどのような話をすべきかということをイギリス側がほとんど心得ていたからだろう。諜報活動完璧じゃね?と思った初期の感想が鮮やかに蘇った最終巻だった。これを書いてる現在だって、ウクライナ・ポーランドと組んでかなり効果的にロシアに嫌がらせしてるとこ見ると、これ、ホントDNAレベルじゃね?なんにせよ、14巻の長きにわたり、飽きさせないとても良いシリーズでした。2022/02/05
ラピスラズリ
2
このシリーズを通じて、幕末~明治初期にかけて登場する人物は戦国時代におとらず魅力があると思った。サトウから江戸から明治に変わる瞬間の、ディープな話をもっと聞きたかったなぁ。2012/01/15