朝日文庫
慶喜登場―遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄〈4〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 417p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022615466
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0120

内容説明

第二次長州戦争の敗北と家茂の死。危機のなか第十五代将軍となった慶喜との謁見をめぐり、中立を掲げる英国公使パークスと幕府寄りの仏国公使ロッシュに駆け引きが生じる。慶喜はその識見と人間的魅力でパークスを強くとらえた。雄藩連合政権か、徳川幕府の独裁か。「情報将校」サトウが縦横に活躍する。

目次

慶喜登場
情報収集
大坂
謁見

著者等紹介

萩原延壽[ハギワラノブトシ]
1926年、東京・浅草に生まれる。東京大学法学部政治学科卒業。同大学院修了後、ペンシルヴァニア大学、オックスフォード大学へ留学。帰国後は、研究・著述に専念する。2001年10月没。著書『馬場辰猪』(吉野作造賞)、『東郷茂徳―伝記と解説』(吉田茂賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

44
英国外交官アーネスト・サトウの評伝。第4巻は将軍家茂の死から始まる。徳川慶喜と倒幕派の動きを探索すべく、24才のサトウが大阪に出向く。西郷との会談はそれぞれが書簡を残しており、立場や文化の違いが興味深い。英国公使パークスとフランス公使ロッシュの駆け引きは激しさを増す。英国は対日貿易、使える艦船ともに断然多い。フランスは倒幕派と英国の接近をリークし、幕府との密着を図る。王と議会が分立する英国と、絶対王政のフランス。外交官の思考も故国によると著者は分析する。慶喜の資質が各国に高く評価されていたのは間違いない。2022/03/26

翔亀

26
【サトウ4】徳川慶喜が将軍についた1866年12月からの半年間は、サトウが日本の政治(革命といっていいかもしれない)に深く関与した時期だ。この時、23歳。英国大使館の職員/通訳として、上司パークスの意を受けての討幕派への情報収集の出張ではあるが、上司への公式の報告にも含まれない歴史を動かしたであろう瞬間が日記に記されている。その意味で本巻は全14巻のこのシリーズのクライマックスともいえる。■サトウは薩摩/長州/土佐/宇和島諸藩の有力者(坂本龍馬だけには会ってはいるがすれ違いだったようだ)と会談、それも↓2022/07/05

huchang

5
幕末もののテレビドラマに「開国してくーださいよおおお」という外国人の動きを描写したものがあまりないなぁ、入れればものすごおもろいのになぁという巻。当時の人類学とか社会情勢とか他民族のへの眼差しとかが垣間見えるところもおもしろい。ドラマに関しては、英語話せて日本語話せる若い男性とかフランス語話す年配の役者とか手配が面倒だろうから、海外情勢を交えずに国内問題として明治維新や幕末をドラマにするんだろうなぁでも平たい顔族でない日本人を使えばそのへん…とか思いながら読んだから、時間かかった。2021/05/23

暗頭明

1
「われわれは、湊川と生田川のほかにも、いくつかの川を越えたが、そのうちのひとつをのぞいて、すべての川が乾あがっており、そしてどの川の両岸にも大きな樅の木が植えてあった」(p.232)という箇所で『樅ノ木は残った』の、甲斐が丹三郎にする楠公(楠木正成)の話を思い出す。2013/10/05

YuiGaDokuSon

1
長州再征中に家茂が病死し、慶喜が次の将軍として推されてくるところから、イギリスのパークスが兵庫開港と大阪の開市を慶喜に迫り大阪まで強行に初謁見するまで。 アーネスト・サトウを中心に、パークス、フランスのロッシュ、薩摩や長州、幕府の書簡や日記を通じて、この間のそれぞれの考えや行動を検証していくので、非常に興味深い。2009/10/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/556995
  • ご注意事項