朝日文庫<br> エヴェレストより高い山―登山をめぐる12の話

  • ポイントキャンペーン

朝日文庫
エヴェレストより高い山―登山をめぐる12の話

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022612960
  • NDC分類 786.1
  • Cコード C0198

内容説明

「クライマーのほとんどは本当に気が狂っているわけではなく、ただ、人間の条件における特別悪性の緊張感という病に冒されているだけなのだ」(著者覚え書きより)。単独初登攀した「デヴィルズ・サム」での著者自身の体験をはじめ、山男の悲喜こもごもを生き生きと描いた12のエッセイ、文庫オリジナル。

目次

アイガーの夢
ギル―伝説の男
ヴァルディーズの氷
テントに閉じ込められたときは…
タルキートナの飛行機野郎
クラブ・デナリ
シャモニの休日
キャニオニアリング
エヴェレストより高い山
双子のバージェス
K2の不幸な夏
デヴィルズ・サム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

43
なぜ青年はアラスカの荒野で餓死したかを共感をもって物語った『荒野へ』の著者の初作品。角幡唯介さんが"作家"として目標としているというが、確かに自身がクライマーとして氷壁に執念を燃やしてきた過去があり転じてライターとなった点は共通する。今は生活のため平凡な「日曜登山家」となったと自嘲しているが、大岩壁の征服と数学の証明は同じだという数学者(ギル)、無謀すぎるためパーティに入れてもらえず二人で困難な山に挑戦し続ける双子(バージェス)など本書に登場する登山家列伝は要を得ている。にしても遭難の場面が多すぎないか。2016/03/11

moe

4
山にまつわる様々な人たちの話。一歩一歩頂上を目指す登山家たちの地道で危険な登山の話だけでなく、高さよりも難しさで選んだ岩を登るロッククライマーや、氷瀑(凍りついた滝)を登ることに命をかける男たちや、悪天候を何日もひたすらテントの中で過ごす苦しさや、荷物を運ぶ飛行機乗りの競争、破天荒な双子の登山家の行状など、これまでにない新鮮で生き生きとした話が収められています。2011/05/01

hi

3
ジョン・クラカワーの文章は面白い。愛情とユーモアがあるんだけどちょっと皮肉っぽいというか。短編なので気が向いた時に読めて良かった。2016/02/08

one_shot

2
クラカワーは出るたびに買ってしまう作家。登山に何の関心もないのにエベレスト登頂ガイド登山隊の実態を描いた「空へ」を読んだ時の衝撃は忘れられない。そこにいたるまでの習作エッセイを集めた短編集だが、すでに孤独や狂気に対しての素晴らしい嗅覚が窺える。なぜ人は山に登るのか。そこに山があるからだけではない。人を山に向かわせる心理と、そこに複雑に絡み合う背景が山を知らない人間にも分かりやすく語られている。2018/06/29

さえ

2
登山というより「冒険」を巡るお話かな。双子のバージェスの話が面白かった。有名な登山家は表向きはクリーンなイメージの人ばかりなので、こんな型破りな人もいるのかと。クラブ・デナリも変な人がたくさん出て来て笑える。山登りは、ある意味変人の世界でもあるよね。2011/02/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/510520
  • ご注意事項