内容説明
赤道直下、ヒマラヤ、カリブ海、乏しい予算で訪れた国は数知れず。タバコ一本、ビール一杯もサイフと相談。トラブルに巻き込まれたり、人の親切が身にしみたり…。そんな旅だからこそ見えてきた人々の素顔や生活と旅の喜怒哀楽を語りつくす、これぞビンボー旅行のバイブルだ。12万円の内訳付き。
目次
バンコクから尻にアセモの二千キロ。赤道には白線が引いてあった
高度四千メートルめざすヒマラヤ・トレッキング。ヒルの森にヒルむ
韓国をぐるーっと一周バスの旅。かかった費用は五万七千二百一円
神戸から船に乗り続けて十三日。長江(揚子江)の終点にたどり着く
ついにニューヨーク到達。アメリカ大陸、一万二千二百キロ
北京発ベルリン行き列車、二十八日間世界一周
インド大陸を列車とバスで横断。ラダックに青空を見に行く
念願のカリブ海リゾート。キューバのドル払いアリ地獄に泣く
東シナ海、南シナ海、四つの中国めぐり。超たいくつクルージング
ロサンゼルスからひたすら北上。カナダ最北端、北極圏突入
タイ国境線をなぞる戸惑いの旅。気がついたら“密入国”
神戸からアテネ、一万五千四百七十二キロ。シルクロードを揺られぬく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
43
12万円で行く海外貧乏旅12コース。1988〜9年のバブル期で著者は35歳。アメリカでは長距離バスセンターにホームレスが群がり、トイレをバスルームにして乗客から金をせびる。自由の国の侘しい一面だ。北京から西ベルリンへの列車では横柄なソ連兵に怯え、ピロシキ売りのおばさんに癒される。共産圏を越えて欧州の大都市を巡れば、古い石造りの街と元気の無い白人、生活を支えるトルコやアフリカ系の人々という共通の構図。この企画をきっかけに著者は旅行作家になる。乾いた現実感覚で世界を飄々と渡っていくスタイルは既に確立されている2020/02/23
piro
24
再読。約30年前、下川さんの貧乏旅ライターデビュー作と言える一冊。ソ連崩壊前、東西ドイツ統一前、と言うのが時代の流れを感じさせます。東側の壁を感じると共に、この30年の中国や東南アジアの急速な発展を再認識しました。そして下川さんが若い(笑)。今も同じ様な旅を続けている所はある意味凄いです。LCCの台頭もあり、国際線の航空運賃は30年経って逆に安くなっている様ですね。最近「リターンズ」として同じルートにチャレンジされた本が刊行されている様なので、そちらもそのうち読んでみたいと思います。2020/01/13
みゃーこ
16
12万円で世界を見れるなら行ってみたいと思うがこの過酷な旅模様を見たら、日本が一番だね~と行った気になるだけでお腹いっぱい胸いっぱいになってしまった。ライターとしてのセンスは抜群だと思う。貧乏旅行だからこそ、どうしてもアングラへアングラへ。その国の庶民、その都市の暗部の生活臭まで漂ってくるような旅行記になっている。2012/08/14
Carlos
12
学生の頃下川さんの本沢山読んだなー。また旅に出たい!2019/08/10
うろぽろ
10
旅行作家・下川裕治の出世作。毎月のお題に合わせ、時間と体力を犠牲にしてひたすらバス移動と貧乏船旅を繰り返した週刊誌企画。移動時の苦労話が延々と続くだけの内容なのだが、渡航時期の1988~89年というのが絶妙。ちょうど昭和と平成の狭間で、東西ドイツ統一の直前。冷戦終結・ソ連崩壊もすぐそこで、天安門事件を跨ぎ、翌年にはクウェート侵攻を機に湾岸戦争も始まる。今考えるととんでもない時期に世界中を巡っていたわけで、ちらりと描写されている逞しい現地の人々の生活も、今では様変わりしているのだろうかと思うと感慨深い。2012/10/19
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