内容説明
どんな本が売れるのか?超ベストセラー作家が、自作をはじめ、さまざまな例をひきながら、成功の秘密を説き明かす。何百万もの読者に支持される人気作家ならではの、それ自体が一つのエンターテインメントとなるように計算された好読み物!巻末に読書ガイド「読んで読んで読みまくれ」添付。
目次
本書はなぜ書かれたか
偉大な名作を書く
移りかわる出版市場
ストーリー・ラインを組み立てる
アクション、アクション、アクション
ヒーローとヒロイン
信憑性のある登場人物をつくりだす
登場人物にいかにもありえそうな動機を与える
背景描写
文体について〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
84
朝日文庫創刊40周年 ライバルからのイチ押し対象本 純文学よりも大衆小説を書く指南書でした。某所で二次創作とオリジナル作品の小説を書いている身としてはアクション重視の作者のスタンスには目からうろこでした。そうですよね。生身の体を持った人間のキャラクターが心だけの描写でしたらおかしいですよね。以後気を付けます。 後、本作の作者さんは京都舞台の小説も書いているとか?学生時代4年間を京都で過ごした自分としては気になるところ。2019/04/04
ヴェルナーの日記
81
この手の作品は、大別すると2つに分けられる、1つは作家自身による経験則から執筆したもの。いま1つは文学理論から体系的な述作したもの。本書は前者に位置づけられる。作家自身が実際に体験した内容だけ、一定の説得力を感じられる。ただ個人の体験は、個別解であって、すべての万人に当てはまるというかというと、そうではない。その人における特有のモノという場合も多いのも事実だ。よってあくまで参考にすべきもので、必ず本書ようにいくとは限らない。残念なのは、執筆年数が古く、巻末の選書で、既に絶版して入手困難なものが多いことだ。2015/11/23
青蓮
77
ノラさんから頂いた本。具体的な文章例や著者の経験も交えて解りやすく小説の書き方を記した本。プロットの立て方は勿論、ヒーローやヒロインの書き方や物語の背景描写の重要性、文体についての留意点、スランプ克服法まで作家のノウハウを余すことなく伝えています。読んで気になったのは背景描写や文体の簡潔さについて。私は文章を変に書きすぎてしまうので、もっと削ぎ落としてテンポの良い文章、リズミカルな会話を目指す必要性があるのかなと。此処は要研究です。そして最後に読んで読んで読みまくれ!と必読リストが載っているのも親切。2019/06/16
harass
53
『ガーディアン紙が死ぬ前に読むべき1000冊』で自分がエンタメ系の本をよく読んでいたのは、この本のせいだ。1982年にでた単行本で巻末のブックガイドを参考に翻訳小説を集めまくって読んだ覚えがある。1000冊ガイドで久しぶりに聞いたエリック・アンブラー(大英帝国らしい、スパイものの巨匠)など、すっかり忘れていた。この本の巻末ガイドは60年代から80年代までの英米エンタメ系(SFミステリハードボイルド)小説の傑作ばかりだった。ここで目を肥やしてしまったので自分のハードルが高くなったせいもあるが……2015/06/13
Tetchy
51
量産作家、ペーパーバック・ライターのクーンツが著した小説作法指南書。常にその作品に接しているクーンツ読者としては書かれている内容はベストセラー小説の書き方というより、クーンツ小説の書き方といった方がかなり近い。云うなれば「クーンツ小説」=「ベストセラー小説」という訳。まあ、一つの指針として捉えるのがいいだろう。しかし、最後に掲げた必読本リストはなかなかの物。チャンドラー、ハメット、ケイン、ロスマクなど定石に加え、さらにセイヤーズまで読んでいたのには驚いた。やはりクーンツ、侮れない。2009/08/08
-
- 和書
- 悪魔とプリン嬢 角川文庫