内容説明
「フィリピン・ルバング島で、小野田さんを発見」一躍有名になった青年が1974年に著した放浪記。アジア・ヨーロッパ・アフリカ‥、そして小野田さんを訪ねてフィリピンへ。破天荒な冒険家が綴る記録は痛快。「次は雪男だ」と旅立ったまま姿を消した彼は、今どこにいるのだろうか。
目次
日本脱出
ユーラシア横断
イスラエルの青春
国境突破に失敗す
インドの日本寺に入山
ジブラルタルを渡る
激動のアラブに入る
発見への旅立ち
小野田少尉との一夜
救出、そして帰還
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽてちゅう
14
小野田少尉、雪男、パンダを見つけるのが僕の夢。金も、度胸も、親の許しもない。ただただ日本を脱出したい、その一念で始まった大放浪。前半はユーラシア大陸。空腹、言葉の壁、ピンハネ、売血、無謀な国境越え、裏切り。とんでもない人生ゲームだが、旅仲間との縁は不思議と切れない。後半はフィリピン・ルバング島。1人戦争を続けている小野田少尉。その救出に持ち前のハートだけで挑む。上からでも下からでもなく、ただ真っ直ぐに向き合う姿が印象的。決して多くはないページ数だが、型破りな人だけに原稿と格闘した時間はさぞ窮屈だったろう。2024/05/16
ゆかり
1
前半は4年間のバックパッカー旅行記、後半は小野田少尉発見記。20代の頃「深夜特急」や猿岩石のユーラシア大陸横断をTVで見て、バックパッカーをやっていた頃があった。本著はそれよりも20年前、さらに素朴で人間臭い時代を無謀感満載で渡り歩く様子はまさに痛快。警察に無料宿泊できるなんて知らなかった(笑)。テルアビブ空港乱射事件時にイスラエルにいたのも興味深い。著者のまっすぐさが、小野田少尉発見と帰国につながったのは間違いない。また小野田少尉の生活様子も垣間見え、ラジオで現代社会を知っていたのも驚き。2024/04/05
Yasutaka Nishimoto
0
小野田少尉をルパング島で発見した著者であるが、「小野田少尉に発見された鈴木紀夫です」という洒落たセリフがいい。その後に雪男を見つけにダウラギリで雪崩に巻き込まれてという、人生としてはすごいものであったと思うが30代で命を落とすのは惜しかったと思う。賛否両論ある本書も、旅の記録としては面白く読める。小野田さん発見時のやりとりも、文章のなせるワザか、まるでコントのよう。自分たちの世代では、横井さん、小野田さんの発見はそれほど印象にない(幼少期のため)のであるが、このような形で読むことができるのは有難い。2015/08/05
toshio
0
小野田のおっさん、事あるごとに陸軍中野学校を盾に暴言を吐く。 終戦を知りながら投降を拒み続けた理由は知りたくもないが、 終戦後に自分の狂言により部下は殺すは、投降した部下を非難するは こいつは今でなら気のふれた一下士官。当時は、戦後色が残り、 一時的に英雄扱いされたのかもしれないが、時代錯誤も甚だしい。 タイ北部では、未帰還兵が取り上げらたが カーニバリズムや悲惨な敗走などを経験したにせよ、 現地で衛生兵が医学部卒の現地人医師に化けたりしていたな。 そいつは、医師免許を金で買い、貧乏人から高い治療費巻き2012/11/15
j
0
どうにもならないニヒリズムを引き受けつつ、笑い飛ばす。ニーチェなんて糞の役にも立たない。 小野田さんが、「君こそが勇者だ」と言ったのはこれ以上ない適切な表現だ。 コスモポリタンであり、同時に日本人の良い面を自らの肉体と行動で示している。 ダウラギリで、小野田さんが冥福を祈ったのは本当に心打たれる。気高い魂を体現した二人の出会いは必然だったのだろう。
-
- 電子書籍
- 結婚ガチャ【マイクロ】(5) フラワー…
-
- 電子書籍
- 泣いてないってば! -泣いちゃいそうだ…