内容説明
敗戦後三十年間戦い続け、1974年3月、フィリピン・ルバング島から帰国をはたした元陸軍少尉・小野田寛郎。度重なる捜索隊の呼びかけにも応じず、「残置諜者」として上官の命令を遂行し続けた日々、戦友の死、帰還、そして家族との再会…。祖国生還の恩人・鈴木紀夫の死を機に綴った感動の手記。
目次
第1章 ルバング島の出会い
第2章 ルバング島へ
第3章 赤津勇一一等兵の投降
第4章 島田庄一伍長の死
第5章 終戦28年目の小塚金七の“戦死”
第6章 大捜索隊を泳がして
第7章 なんたるザマだ、このおれは
第8章 祖国への生還と狂騒の日々
第9章 ヒマラヤへ慰霊の旅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
荒川ながれ
6
1995.7.15初版 朝日文庫600円(税込) 1945年8月15日敗戦後30年間 「残置諜者」として上官の命令を遂行し続けルバング島でのサバイバルの日々。単独捜索者鈴木紀夫との出会いと別れを綴った手記。仲間や家族が捜索しても小野田は騙されものかと逃げ続けた。帰国後、敗戦ではなく終戦との表現に疑問を持っていたこと。煩わしい日本には別れを告げブラジルに移民したことなど。2023/09/20
wei xian tiang
1
涙,涙,涙。よく横井さんと小野田さんと併称されるが,「横井さんと小野田さんと小塚さん(横井さん帰還後のS47年に「戦死」)」と言うべきこと。また横井さん,「高砂族」のスニヨン(中村輝夫)氏らと小野田隊との間には任務完遂意識の有無で大きな違いがあること。それにしても帰還した小野田さんの病室横までヘリを寄せて覗き撮影するテレビ局の下劣なことよ。2013/11/25
Hiroyu Nakajima
0
読了2016/08/05
Kunio Hanaoka
0
横井さんのグアム島のものもおもしろかったが、こちらはなじみのあるフィリピンである。ルバング島へ行ってみたくなった。これだけ自分を貫けるなんてすごい。2015/07/25