内容説明
いまの登山界は、非常に危険な時代にある。交通が発達し、装備がよくなっているせいもあって、誰でも簡単に山にはいれるようになり、実に拙劣な遭難がふえている。…きちんとした分析や評価がないまま時間が経過すると、その遭難はロマンと化し、死者は英雄となる。ときには、非情とも思えるほど、鋭い切りこみで、遭難を分析している。これをよく読めば、甘い気持ちで山へ出かけるようなことはできなくなってしまうだろう。
目次
みんなが登るから
「創造的な登山」とは何か
飯田高校山岳部長 渡辺衛先生
ヒマラヤ堕落論
山と職業
北海道の山を空から見れば
都会における山
山は死んだ
アルプスの山と人
西欧の山岳会と遭難対策
ヨーデル
遠かったゴサインタン
登山における「記録」の意味
遭難の報道記事
無知と加害者を支援する無知
遭難と磁石
「〈創造的な登山〉とは何か」余録
『ジョージ=マロリド』書評
50歳から再開した山歩き
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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2
昔の山の本2015/10/08
Shoichi Kambe
1
*「マロリーは、処女峰エベレストが存在するから登るのであって、いわんや一般の「山があるから」などとんでもない。 *海の遭難に海難審判があるように、山の遭難にも、だれかが調べて審判を下し、その結果によっては責任者に責任をとらせたらどうか、と思うのだ。 *山に対する姿勢をふりかえってみますと。その一は、やみくもに山に熱中した時代。高校時代。その二は、自分にとって本当に必要な山は何かという極論(最高峰エベレスト?)に達するまでの過程です。その三は、山などにいつまでも熱中している奴こそ馬鹿だと思うようになって……2021/07/09
夜郎自大
0
1992/10/27
yamakujira
0
青年期から50才代まで、山にまつわる短い著述をまとめた一冊。朝日新聞社の功労者だから、単行本に収録されなかった文章を十把一絡げにして、思い出の文集を作ってあげたみたいだな。 (★★☆☆☆)