目次
第1章 森林がサルを生んだ
第2章 楽園に生まれた悪
第3章 人間、この不自然な生物
第4章 遊動生活は個性化を強めた
第5章 文化を支える生物的基盤
第6章 文化の発生
第7章 道具の使用と製作
第8章 反自然的進化の源流
第9章 人間には生殖期がなぜなくなったか
第10章 ヒト、なわばりを復活させたもの
第11章 人類社会の起源は父系か母系か
第12章 自然の掟を破ったもの
第13章 内包された存在としての悪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
393
著者の河合雅雄氏は京大の霊長類研究の保守本流に位置する研究者。したがって弱肉強食といった適者生存ではなく、大先達の今西錦司の「棲み分け」理論の後継者である。本書では、まず爬虫類の大量絶滅後に、哺乳類が適応拡散していったのだが、サルに関して言えば、それは樹上という全く新しい環境であったことに着目する。そこは食料の種類も豊富で、しかも捕食者もいないという、いわば理想的な環境だった。それが類人猿をして他の哺乳類とは別の道を歩ませることになった。サル学の研究から人間の考察へと、極めて示唆的で刺激的な書である。2019/05/19
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