内容説明
オパール、サファイア、ルビーなどの宝石がちりばめられ、不思議な化学現象が色どりをそえる賢治文学の世界。多彩な作品群のなかで、「科学」はどう輝き、どんな「心象絵具」だったのだろうか。超一流の心象文学者の「科学と文学」をスケッチし、ユニークな視点からの賢治論。
目次
１ 賢治宝石箱
２ 賢治植物園
３ 賢治実験室
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kikuyo
21
賢治作品に宝石は欠かせない。 賢治の独特な表現は、 実際の宝石類を科学的に知り尽くした裏付けをもとにした心象スケッチだ。その質感は本質的な美しさを内包し、時に冷たさや暖かさ煌めきや淋しさまで伝えてくれている。巻末エッセーにあるように「映像と言葉の絶妙なガイドブック」で、賢治作品を味わい深いものにしてくれる。賢治の並外れた感性、そして表現する力どちらも本当に素晴らしい。2018/09/21
ゆき
0
「宮沢賢治の宝石箱」「宮沢賢治の植物園」「宮沢賢治の実験室」の3カテゴリからなる本書は、宮沢賢治好きにとっては垂涎もの！ 『貝の火』は子供ごころに、石のなかできらめく炎や光を思い浮かべて、まるでオパールのようだと思っていました。他にも素敵な貴石がでてきますし、植物や科学的なものも優しく説明してあるので、宮沢賢治作品を再読するたのみにが生まれます。 2013/11/19
