感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
筑紫の國造
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戦国時代史、と言えば国内の騒乱をイメージしがちであるが、同時に西洋(南蛮)との交流が始まった国際色豊かな時代でもあった。本書は、フロイスの『日本史』翻訳にも携ったベテラン研究者による中世から近世の日欧交渉史。元が公演なので文章は極めて平易で、概説書として手軽に読み進められる。メインはキリスト教布教の為に日本を訪れた西洋人たちの活動に割かれるが、その前史にあたる大航海時代もきちんと説明しているので、世界史の視野で戦国史を捉えられる。個人的には、国際人たる前に日本人たれ、という著書の意見に強く賛同したい。2015/12/11