朝日文庫<br> 常紋トンネル―北辺に斃れたタコ労働者の碑

朝日文庫
常紋トンネル―北辺に斃れたタコ労働者の碑

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784022606327
  • NDC分類 366.8
  • Cコード C0121

内容説明

網走・旭川間の鉄道トンネル付近から50体以上の人骨が発掘された―。北海道開拓に使役された囚人労働の実態を調査していた著者が、囚人に代わって拘禁労働の主力となっていた「タコ」と呼ばれる土工夫たちの行跡を追った記録。鉄道・道路・港湾・灌漑溝工事などに酷使され、斃れていったタコ労働者。社会の底辺で沈黙を強いられてきた人々の呻き声が聞こえてくる。

目次

タコ労働と北海道開発(幽霊が出るトンネル;人間の生き埋め;困難をきわめた工事;大資本の北海道・樺太進出 ほか)
タコ労働の実態(監獄の方がまだいい;逃亡とリンチ;「募集」という名の誘拐;タコ部屋廃止の動き;「朝鮮人狩り」と脱出ルート ほか)
タコ労働の歴史掘りおこし(50年めの遺書;あるタコの半生;タコ部屋があればまた行く;歴史を掘る ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

27
NHKで放送された「こころの時代〜宗教・人生〜殉難者の祈り」を観て、本書を手に取った。 番組は北海道開拓の過酷な労働現場で亡くなった「殉難者」たちのことを描いたものだった。/ 「殉難者」には囚人と「タコ」があるが、本書では「タコ」について掘り下げている。/ 【常紋トンネルから、留辺蘂(るべしべ)側に一キロほどくだったところ(略)に、なんの変哲もない地蔵さまがある。その地蔵さまの横の標札には、次のように書かれている。   歓和地蔵建立の由来  湧別線工事中最大の難工事とされていた常紋ずい道→2024/10/24

ビーグルの匂い

0
北海道の近代史を学べる本。明治初期、本格的な開拓は没落士族からなる屯田兵によるものであり、農地として開拓された場所は札幌郊外などの肥沃な地域であった。日露戦争以降、未開の原生林や鉱物資源がある山域を政府は財閥系民間企業に払下げる。これらの地域を開発するために、鉄道敷設、ダム建設、灌漑用水の工事行われた。このための労働力として、半奴隷の工夫が使われた。これがタコ部屋労働の始まりである。結局タコ部屋労働は戦後GHQにより禁止されるまで続いた。残念ながら日本は自力でこの問題を解決できなかった。2018/05/28

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