内容説明
「どんなに意味を抜こうとしても、変に意味が込められてしまう『在日韓国人』よりも、『日本語人』というほうが身も心も軽くなるような気がする」と、在日韓国人3世の著者は言う。日本で生まれ育ち、日本人と結婚、娘をもうけた彼女は、さまざまな障害をどのように乗りこえてきたのか。在日韓国人の悩みと喜びを率直に描きながら、「国籍」「民族」の意味を鋭く問いかけ深く考えさせる書。
目次
第1章 日本人との結婚
第2章 「姜信子」までの遠い道
第3章 わからない「民族」
第4章 在日韓国人社会と日本人社会のはざまで
第5章 在日韓国人家庭をとりまく現実
第6章 次代に私が伝えられること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
30
Book-Off本。朝鮮人の中には日本の植民地政策のため土地を奪われたりして日本に渡航してくる人、日本に強制連行されてくる人が多かった。日本が敗戦した瞬間から朝鮮人たちは「外国人」になった。朝鮮に帰りたくとも制限があって帰れずにそのまま日本に居着いたのが在日韓国・朝鮮人である。彼らは多くの偏見や蔑視と戦って生きてきた。この本の著者は在日三世。ハングルは知らず日本語を話す。それでも外国人であり、大学を卒業しても官庁や大企業には就職できなかった。著者は言う。在日と見ないでほしい、日本語人と見てほしい、と。2017/08/19
katoyann
22
在日韓国人三世の立場から親世代との意識の違いや厳としてある差別についてつづった自伝的エッセイ。日本人と結婚するときの思いや就職差別など様々に語られている。淡々とした筆致で日常の差別が描かれるため、スッと読めてしまうが、外国人登録証の携帯義務などのエピソードからは、被差別経験の重さを感じる。新聞社の就職差別も中々ショッキングである。著者は複数の新聞社の入社試験で合格点を超えながら、面接試験を受けられないという経験をする。あからさまな差別を経験しながら、内なる差別意識の解消を訴える。今読んでも刺激的だ。2022/01/20
ぼっちゃん
7
日本に住んでいながら日本人ではない。韓国人とはいっても韓国を体で知らない。自分は何者なのかという著者の苦悩やとりまく現実に考えさせられる。2016/03/12
つちのこ
1
朝日文庫版。1993.10.23読了1993/10/23
り~さん。
1
在日の生の叫びがここにあると思う。この本を読んだ”日本人”の感想が聞きたい。2011/03/20