内容説明
奇怪、不気味、そのくせなぜか心を躍らせてくれる忍者たち。呪文を唱え、煙とともに消え失せる、おなじみの存在から、無色・無味・無臭、いたかいなかったかすら判然としない“上忍”に至るまで、著者はみずからの憧れを道しるべに、忍者の幻想と実像を追い求める。忍術と音曲、能楽、宗教などの関わりも考察する。
目次
最後の忍者―黒船みやげ
上忍たち(藤林長門と伊賀諸豪;百地丹波と伊賀の乱;いくつもの顔;服部半蔵とその生涯)
忍家の源流―服部氏族と氏神
忍術の祖型―散楽、仙術、絹の道
忍術と能楽―景教と風姿花伝
鬼の行方―怨念と国つ神々
忍者の最後―甲賀衆と伊賀組同心