内容説明
スペイン内戦に際し、共和国防衛のため参戦した義勇兵ジャック・白井は1937年7月11日、マドリード西方40キロのブルネテ戦線で反乱軍の銃弾に倒れ、37年の生涯を閉じた。函館の孤児院から、船員生活を経てニューヨークに移り住んだ彼の生涯は、これまで多くの謎に包まれてきた。ニューヨーク時代の白井と親交のあった著者は、貴重な体験と精力的な取材を基に、激動の1930年代を愚直に生きた一日本人の実像に迫る。
目次
プロローグ
1 異郷の反逆者
2 流転の旅路
3 激動と目ざめ
4 スペインに死す
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
17
54スペイン内戦で戦死した日本人ジャック白井、彼と親しかった筆者がスペインや生まれ故郷の函館を訪れジャックとの思い出と生涯を追っていく。函館の孤児院出身でアメリカでコックをし軍国化する日本に反対し内戦が起きたスペインに渡り料理の腕を見込まれコックになり兵士達を喜ばせるが戦いたいと前線に行く、しかし新しいコックでは料理が不味くなり兵士達がストライキ寸前までになりジャックはコック兼兵士となり前線で料理を取りに行くところで戦死してしまう。謎だったジャック白井の人となりが知れて良かった、次の本も続いて読みます。2021/04/11
蛮族
0
すごい人生を歩んでいる人だ 俺もすごい人生を歩みたい2021/09/16
Arte
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スペイン内戦に参加した日本人男性について、友人が語ったもの。スペイン内戦の話は今までも目にしてはいたが、なるほどこういう経緯だったのか、とようやく少し飲み込めた気がする。2020/08/26
1048
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日本が軍国主義に突き進んでいるちょうどその頃、ファシズムに対抗するスペイン人民戦争に参加していた日本人がいたことに驚き感動しました。自由、平和のために命を投げ打つ覚悟でスペイン人民のために国際旅団として、しかも、愛する人と別れてまで参加する、私がその立場に居たとしたら、そのような決意を固めることは出来ないような気がします。この本を読んだ後、ヘミングウェイの作品を読んでみたくなりました。2018/12/27