内容説明
「源氏物語」の登場人物は、どんな装束を身につけていたのだろうか?綿密な有職故実と風俗史研究をもとに、光源氏の一生を服装でたどり、空蝉の小袿の秘密をときあかす。服装から「源氏」に近づき、王朝人のエロティシズムを探る異色作。女房装束、王朝の彩飾、勾いや重ね色目のカラー口絵4ページ、さしえ多数。
目次
桐壼の更衣は何を着ていたのか
空蝉の小袿の秘密
服装で光の一生を語る
袿姿でくつろぐ平安の男たち
流謫の光源氏が着ていた無紋の直衣
“出衣”にみる平安時代の美意識
貴婦人たちの好んだ細長
かさね色目のやさしさ
六条院の衣配り
舅から贈られた石帯
女三の宮、浮舟の尼姿
香はもう一つのきもの
紫式部の衣装哲学
産屋装束
平安人の好んだ透くきもの
結婚の日は何を着たか
壼装束は旅ゆく女のいでたち〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
21
韓ドラのように愛と羨望と憎しみと、様々な思いが織り成す物語を、その時代の装いの観点から眺めてみる。今まで考えたことがないような男女の営みなど、ちょっと雑学的に知ることで別な楽しみ方ができた。2010/09/22
のんき
0
1988.1.25 第2刷
志村真幸
0
1982年に文化出版局から出た単行本の文庫化。 著者は小説家。十二単についての著作もあり、平安朝の服飾文化に詳しい。 本書は、『源氏物語』の「服」にまつわる28篇を並べたもの。「桐壺更衣は何を着ていたのか」「服装で光の一生を語る」「かさね色目のやさしさ」「舅から贈られた石帯」「産屋装束」といった章があり、それぞれにハッとさせられるような視点をふくんでいる。 とくに印象に残ったのは、夜に男性の訪れを知らせる「衣擦れの音」について語られた章だ。まるで違った目で『源氏物語』を見ることができるようになる。2018/01/30