内容説明
タクアン訪ねて日本を覗く、奇想天外な展開。ユーモラスにして、ユニークな日本文化論。訪ね歩いたあちこちは、網走刑務所、秋田・角館、岩手・沢内村、宇都宮、東京は練馬、成城、品川の東海寺、港区の病院、伊豆大島、名古屋、渥美、比叡山、高野山、鳥取・佐治村、鹿児島・山川そして外国まで…、タクアンをめぐって浮び上った日本人の姿。噛みごたえのある、不思議な本。
目次
安眠できない沢庵和尚
刑務所の二十五グラム
コンコと信仰と観光
コック長、洋上の奮闘
魚が住まぬ澄みきった水
マタギの里は豪雪地帯
イロリは見えねど『いぶりガッコ』
今様に伝統を破ったり守ったり
やっぱりウチのが日本一
時代が変われば大根も変わる
塩はショッパイだけじゃない
腎臓の賢さに脱帽!
手塩にかけた“社長の道楽”
雪の山陰に“故郷”をみた
海外のタクアン事情
『山川漬け』から逆もどり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
氷柱
6
948作目。3月22日から。3年ぶり3回目。ついついタクアンを食べくなる作品。タクアンを求めて各地を訪ね歩く。時には地方、時には都内に繰り出していく様にどことなく心を惹かれる。現地であれこれ探し求める様に個人的な探求心も引っ張り出される。物事の見方がどんどん変わっていく。好奇心を持って行こう。2023/03/24
氷柱
6
462作目。1月3日から。3年ぶり2度目。年明け二発目は探求心溢れるこの一作をチョイス。文章がわかりやすく、示唆にも富んでいる。専門家ではないはずなのにあらゆる分野について初心者にもわかりやすく説明されている様は圧巻だ。質問が鋭く、知りたい情報が次々と繰り出される。専門的で研究家の域に踏み込んだ情報以外にも情緒あふれる部分や社会問題に深く切り込んだ部分もあり、きちんと足を使って調査している点に好感を持てる。前回に引き続きまたもやタクアンを食べたくなってしまった。2019/01/05
氷柱
4
168作目。1月18日から。タクアンを買わされた。それほど好きというわけでもないのだが、29年前に作者が追い求めた味、ニオイ、食感に思いを馳せたくなった。購入したのはスーパーだが、コンビニでも見かけることが出来る。この作品は平たく言えばタクアンについて全国を駆け回るレポートなのだが、作者独自の切り口の鋭さが取材のクオリティを上げている。タクアン取材に関連付けた脱線具合も知的好奇心を満たしてくれる。タクアンから日本の姿が浮かんできた。2016/01/23
ごとうさん
4
この文庫の初版が昭和62年・・・。それなのにまったく古臭さを感じさせないどころか、タクアンのように熟成された味わいを楽しませてくれる河童さんに脱帽です。脱線しまくりのタクアンルポにふむふむと唸らされたり、大いに笑わせてもらったりした。河童さんの細密な絵にウットリ引き込まれるのもお約束ですね。これ今でも購入できるのかしら・・。2014/03/23
紫電改
2
河童さんの本にしては、ちょっと物足りない内容でした。 タクアンという対象のせいかもしれない。脱線した人工透析とかの話の方が面白かったです2021/11/21