内容説明
野麦峠はダテには越さぬ 一つアー身のため親のため…娘たちの悲壮な歌声が峠にこだまする。くちべらしのため、渡り鳥のように、来る年も来る年も峻嶮な峠を越えて信州の製糸工場に出稼ぎにいった飛騨の糸ひきたち。日本近代化を底辺でささえた製糸女工たちの悲喜こもごもの生涯を、元女工の証言をもとに描きあげた、ドキュメンタリーの古典的名著。
目次
飛騨の便り悲し
文明開化と野麦峠
日清・日露戦争と野麦峠
古川の大火と野麦峠
諏訪湖の哀歌
弁天沖の哀歌
天竜川の哀歌
工女の残した唯一の記録
雪の野麦峠越え
工女の故郷・飛騨
女工惨敗せり
興亡・岡谷製糸
野麦峠のお地蔵様