朝日文庫<br> あゝ野麦峠―ある製糸工女哀史

朝日文庫
あゝ野麦峠―ある製糸工女哀史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 446p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022603791
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

野麦峠はダテには越さぬ 一つアー身のため親のため…娘たちの悲壮な歌声が峠にこだまする。くちべらしのため、渡り鳥のように、来る年も来る年も峻嶮な峠を越えて信州の製糸工場に出稼ぎにいった飛騨の糸ひきたち。日本近代化を底辺でささえた製糸女工たちの悲喜こもごもの生涯を、元女工の証言をもとに描きあげた、ドキュメンタリーの古典的名著。

目次

飛騨の便り悲し
文明開化と野麦峠
日清・日露戦争と野麦峠
古川の大火と野麦峠
諏訪湖の哀歌
弁天沖の哀歌
天竜川の哀歌
工女の残した唯一の記録
雪の野麦峠越え
工女の故郷・飛騨
女工惨敗せり
興亡・岡谷製糸
野麦峠のお地蔵様

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

35
数百人の元女工を取材し書き起こした記録文学。女工の歳は若くは12,3歳。朝5時から夜10時まで働かされ、健康保険などなく病気になったら即クビ。結核、望まぬ妊娠、自殺とあらゆる苦労を経験。年1回の里帰りは年末。冬の日本アルプスを大した装備もない女工たちが素足に近い状態の脚絆で超えていったという。しかし、それらが当たり前であった時代。製糸工場でなく実家で農作業を行なっていれば、労働時間や食生活はもっとひどかったと言う。取材時に過去を振り返る女性たちに、良い思い出として記憶されているようだ。続く→2019/02/17

masayukimi

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1988年4月読了

ひろチッチ

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日本の近代化の黎明期、日本の貿易を支えた製糸業に従事していた女工の労働環境や当時の生活などを、女工への聞き込みを中心に調べ上げ、まとめた本で。大規模な機械製糸業のはじまりから時代とともに変わる製糸業の変遷、岡谷で起こった事件などを複数の視点から捉えている。富岡製糸場はブラック企業のようなものなので世界遺産登録は恥ずかしいといった意見を目にしたことがあるが、その当時の民衆の生活、日本や世界の情勢、外貨獲得の重要性など、様々な理由から仕方がないことだったのだろうと思う。女工がいなかったら今の日本はないだろう。2014/07/13

びーちゃん

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戦前もそして戦後も,日本経済を支えたのは低賃金あるいは長時間労働で働く女たちがいたからである。この事実は知らなければならないと思う。解説も素晴らしい。評価52011/04/08

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