朝日文庫<br> 八犬伝〈下〉

朝日文庫
八犬伝〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 410p
  • 商品コード 9784022603678
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

読本作家・滝沢馬琴の実の世界と絢爛たる伝奇小説「南総里見八犬伝」の虚の世界。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タツ フカガワ

36
執筆期間二十八年、登場人物四百数十人。しかも執筆中に失明、その後は漢字を知らない息子の嫁お路に口述筆記させながら書き上げていくという馬琴の執念が凄まじい。解説で野口武彦氏がいう「まさに創造の秘密を探求し、その営為を小説化」した本作、これまで登場機会の少なかった九歳の小犬士犬江親兵衛の武勇に狂喜していたら、終章を読み進むほどに感動がこみ上げてきました。最後は次の一文で締められています。「『南総里見八犬伝』 世界伝奇小説の烽火、アレキサンドル・デュマの『三銃士』に先立つこと三年」 名作です。2021/10/24

みかん

17
坪内逍遙は「小説神髄」の中で「南総里見八犬伝」を、スーパーヒーローばかりで"人間"やその心情心理を書けていないと批判したが、この山田風太郎による本作は、「八犬伝」作者の曲亭馬琴の現実生活を描くことで、荒唐無稽で波瀾万丈でスペタクルなこの一大長編「南総里見八犬伝」をさらに魅力的なものにしている。2015/09/26

名駿司

15
★★★★☆ 虚(八犬伝)実(馬琴の生活・人間性・考え)を並列しつつ織りなした作品。虚の想像性と実での偏屈さ。女子供の読物で終わらせたくないと善悪の因果にこだわる姿勢が、冗長的になる原因と、対比として登場する北斎に言わせている。鶴屋南北と馬琴との対話は圧巻。虚の世界だけ再読してみたが、よくできた訳でも当然だが物足りない。それでも八犬伝ってこんなに面白かったかと感じさせるのは山田風太郎の力だろう。最後は虚実混合、内容的には尻すぼみの虚以上に凄絶な実に至る。通常の論評ではこんな描写にはならない。上手い。2018/06/13

つったん

13
八犬士が揃うまでの見事さとはうって変わってやや冗漫さが目立つ後編の虚の世界。それを承知しつつも書き続けずにはいられない実の世界の馬琴の苦悩。 上巻は虚の世界の方に惹かれるが、下巻は実の世界に軍配。 最終章・虚実混交の構成は見事。2012/09/22

gonta19

10
新規購入ではなく、積読状態のもの。 2010/8/18〜8/21 上巻に続き、虚と実の世界が入り混じりながらストーリーが展開する。八犬伝というのはこんなにまで大作であったのだ。全然覚えてなかった。風太郎先生は、八犬伝をだしに、馬琴の巨人、虚人ぶりを書きたかったのだ、ということが良くわかる。2010/08/21

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