感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
34
76年初版。特に九州から海外に出稼ぎに出た人をからゆきさんと呼ぶ。娼妓であり密航婦である場合が多いという。ティーンエイジャーの若い女性が中心で、喰うに困る家庭から”口減らし“として売られた。著者はその家から出させた子を虐殺と呼んでいるが、家族を守る為の生け贄とも呼べよう。明治時代の事であるが、女性として人間としての人権など全くない時代。先日読んだ「サンダカン八番娼館」もからゆきさんを扱っているが、こちらは歴史的背景など広く浅く触れている感じ。2019/04/18
山口透析鉄
20
市の図書館本で。やはり森崎さん、良い本を書かれます。九州などで多かった出稼ぎからゆきさんに関する労作で、密出国した事例等、当時の新聞記事からも豊富に引用されています。 主軸になっている女性はいますが、これ、要は棄民政策であり人身売買ですので……ゴム園などで財を成した方も出て来ますが、実際は公娼として早くから客を撮らされていた女性などのかなり出て来ます。いざ飢饉になると農村の娘を売りに出して、というのは日本の近代氏の負の側面でしょう。 遅れて来た帝国主義国としての大日本帝国の様子も多く出て来ます。(コメ欄)2025/02/06