感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
48
外国船が日本を開国せよ!と未だ居座っている。幕府側の腰抜け外交、そしてそれを八つ当たりにするかの如く長州へはつらく当たった時代であったと著者は指摘。そんな幕府に睨まれ長州は崖っぷちにいる。そして薩長連合。よくこの時代の幕府は瓦解寸前でへなちょこであったと言われるが「腐っても幕府」。その威力は健在で、薩長連合の背景には薩摩は尊皇倒幕思想が1番に来るが、長州はそれ以外の背水の陣的な要素も含まれていた!というその背景が詳細に描かれている。そして連合に向けての薩長其々の思惑や駆け引きが読んでいて楽しい。次巻へ。2017/10/18
東森久利斗
2
2018年、西郷の年、幕開け。書店員の力作POPとお勧め本、ベストセラーの定番本、初心者向けのMOOKやガイドが特集コーナーを賑わす中、約半世紀前に出版され未完となった本書が紹介されていないのは寂しい限り。西郷を中心に幕末動乱期を、物語性を廃し史実に徹底して拘った記録と推察で綴る史伝文学の傑作。これ一冊あれば西郷隆盛と幕末のすべてが分かる。"敬天愛人"の人、西郷隆盛。愛され、敵視され、西南戦争に散ったのか? "敬天愛人"、全てのカギはこの一言にある2018/01/18