朝日選書
研究最前線 邪馬台国―いま、何が、どこまで言えるのか

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599780
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0321

内容説明

女王卑弥呼の都、邪馬台国はどこにあったか?は、日本人を夢中にさせる古代のロマンの一つだ。江戸時代以来、九州説と近畿説が対峙して論争を繰りひろげてきたが、2009年、奈良県纒向遺跡での大型掘立柱建物群の発見により、近畿説が大いに注目されるところとなった。だがまだ決着はつかない。それはなぜか。所在地、卑弥呼の館・鏡・墓など、九州説、近畿説それぞれの立脚点だけでなく、どこが弱点かも、第一線の研究者らがきちんと提示、文献・考古両分野から争点・今後の課題をわかりやすく整理する。弥生時代から古墳時代への転換期、日本の古代国家成立までを視野に入れた研究の「いま」が見えてくる。

目次

いま、なぜ邪馬台国か
第1章 邪馬台国研究史をたどる
第2章 近畿説はありえない
第3章 「邪馬台国九州説はありえない」か
第4章 東遷説はありえない
第5章 考古学だけでは不十分
第6章 討論 いま、なぜ邪馬台国か?
第7章 纒向遺跡でいま、何が言えるのか―居館域の調査から
今後の邪馬台国研究の課題と展望―シンポジウムを終えて

著者等紹介

石野博信[イシノヒロノブ]
1933年宮城県生まれ。兵庫県立考古博物館館長・香芝市二上山博物館長。専門は古墳の出現過程、住居史

高島忠平[タカシマチュウヘイ]
1939年福岡県生まれ。旭学園理事長。吉野ヶ里遺跡の発掘調査・整備保存を手がける

西谷正[ニシタニタダシ]
1938年大阪府生まれ。九州歴史資料館長。糸島市立伊都国歴史博物館名誉館長・九州大学名誉教授。専門は東アジア考古学

吉村武彦[ヨシムラタケヒコ]
1945年朝鮮大邱生まれ。京都・大阪育ち。明治大学文学部教授。専門は日本列島の古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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1
最新の発掘状況が分かってうれしい。素人にも分かりやすいように説明してくれるけど、やっぱり難しい。簡単に結論が出るはずもないので、「かえって謎が深まってしまった、という方もおられるかと存じますが、これが邪馬台国論争の現状だということで、ご理解いただければ幸いです」というシンポジウムの締めの言葉に、ですよね~、と頷いた。2011/09/13

Seizou Ikeda

0
邪馬台国や卑弥呼については、本の中で言われているように「卑弥呼」と書いた名札などが出土しない限り、不明であり続けるが、この本にあるように、常に新しい発掘、調査を続けることにより、弥生以後の国々の様子が解き明かされていく。調査結果を広く伝える、このようなシンポジウムや講演会が数多く催され、新しい情報をいち早く伝えてほしいものである。 最新の研究を解説してくれて、面白く有用な一冊であった。2012/09/04

熊谷章洋(´(ェ)`)くまちん

0
江戸時代から議論が続く、 日本史上最大の謎、邪馬台国論争。 考古学の研究が進み、 ぶっちゃけ、今どういう状態なの?という歴史ファンの素朴な疑問に対する、研究者たちの回答です。 平成22年のシンポジウムにおける 九州説、東遷説、畿内説、それぞれを否定する立場からの講演をまとめたものですが、 口調やジョークなどは活かされているため、 その時のライブ感も楽しめ、とても上手に編集されているという印象です。 考古学も科学という一面がありますから、 最新の研究成果は、チェックしておく価値があると思います。2012/08/05

Primavera

0
「九州」と「近畿」、仲が悪いのは学者同士だけであって、当時はお互いそんなことはありませんでした。…という件に深く頷きました。邪馬台国がどちらにあったにしろ、倭の国同士ですから、互いに影響を受けあっていたに違いありません。一口に発掘と言っても現在の土地利用や行政との兼ね合い等々、ご苦労が偲ばれました。少しずつでもこれからも研究が前進して行くことを祈ります。最新の成果としては、纏向遺跡が特殊な遺跡であることに注目しています。2011/09/28

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