朝日選書
原発のどこが危険か (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599766
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0350

内容説明

2011年3月11日、午後2時46分。三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が、東日本を襲った。この地震と津波の影響で、福島第一原発の1~3号機が緊急停止。非常用の炉心冷却装置が作動せず、原子炉圧力容器の水位が低下する深刻な危機に陥った。本書は、1995年刊行の旧版に、この福島第一原発事故についての詳細な考察を加え、新版として刊行するものである。事故は、非常用ディーゼル発電機の不作動が危機の引き金となったが、本書は旧版において、この非常用ディーゼル発電機の危険性を指摘していた。まさに本書は、現代に警告を発する「予言の書」であった。過去の事故を総ざらいし、老朽化を迎えつつある今日の原発の危険性と問題点を浮き彫りにする。いま読まれるべき独自の安全論である。

目次

1 原子力施設の事象の国際評価尺度
2 圧力容器をめぐる安全問題
3 蒸気発生器をめぐる安全問題
4 世界の二大原発事故
5 米国製原発の深刻な事故
6 旧ソ連製原発の深刻な事故
二〇一一年福島原発事故、どこが盲点だったのか―あとがきにかえて

著者等紹介

桜井淳[サクライキヨシ]
1946年群馬県生まれ。東京理科大学大学院修了。現在、技術評論家・物理学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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たまきら

25
物理学者によるこの本は、95年に出版されている。2011年の原発事故について加筆されているのがこの本。「ぜったい神話の恐ろしさ」は常に感じていたけれど、ごく最近起きたイタリア・ジェノバでの高架橋崩落事故のような老朽した建築物の放置による事故の恐ろしさにも唸ってしまった。夫に見せたら新版出版当初に既読済だそう。あの頃妊娠していて、本当に大変だったなあ。2018/08/23

更紗蝦

14
旧版は1995年に出版されましたが、福島原発事故を受けて2011年に新版として刊行された本です。スリーマイルとチェルノブイリを扱っている本は数多くありますが、この本はブラウンズフェリーやグライフバルトのケーブル火災事故や、サリーや美浜のギロチン破断事故も重大事故として扱って詳しく解説しているのが特徴的です。原子炉納容器内の機器の取り換え問題として蒸気発生器に注目しているのは、原発の経年劣化への問題提起としてかなり具体的ですし、外部電源喪失事故の危険性を強調しているところは先見性があります。2018/04/02

Akio Kudo

2
★★★ 読みづらいが、やはり福島の事故と同じように非常用の電源が大事である。それすらろくに用意してなかった東電の責任は重すぎる2018/02/15

どりたま

2
この本は1995年に出版された本に福島原発事故現場の写真とあとがきを加えて出版したもの。前著に修正せず、ただ加筆してあるので、「近年」が1995年のことだったり、キュリーやレムなどの古い単位が使われていてわかりにくかった。(P17,18の表だけ修正してあるらしい)かなり専門的な内容なのでほとんど理解できなかった。ロシアはずさんでアメリカはまあまあ、日本が一番まともだけど、それでもまだ足りないということはわかったけど…。これは1995年の話で2011年のレベルもそのときと同じなのかは、本書ではわからない。2011/05/25

psi_x

1
ステーションブラックアウト、外部電源喪失に特に重きを置いて原発の危険性を述べている。チェルノブイリでおこった爆発事故はそもそもなぜチェルノブイリでは原子炉の運転中にあのような実験をする必要があったのか?実験以前に起こっていたクルスク原発での事故がまず理解されていなければならない。原発の安全性を確保する五重の壁よりも3つの命綱(制御棒、非常用炉心冷却装置、非常用ディーゼル発電機)の方がどれだけ大事であったかということ。福島の事故があったおかげでこの本の指摘の重要性がよくわかる。今読んでも十分勉強になる。2011/11/26

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