内容説明
神武天皇による建国から二千六百年とされた1940年、大日本帝国では万世一系をたたえるさまざまな記念行事がくり広げられた。帝国臣民は定時に宮城を遙拝し、皇国史を学び、愛国歌・作文の募集に応じ、聖地を訪れ、催事を見に出かけた。神社を拡張整備する勤労奉仕もいとわなかった。こうした大衆参加を促したのは国だけではない。新聞社や出版社、百貨店、鉄道会社などの民間企業も祝典をビジネスチャンスととらえていた。帝国全土にわたる消費と観光を支えたのは近代ナショナリズムである。
目次
序章
第1章 国史ブーム
第2章 大衆参加と大衆消費
第3章 聖蹟観光
第4章 朝鮮観光
第5章 満洲聖地観光
第6章 海外日本人と祖国―海外同胞大会
結び
著者等紹介
ルオフ,ケネス・J.[ルオフ,ケネスJ.][Ruoff,Kenneth J.]
1966年、米国ニューヨーク州生まれ。ハーバード大学卒業後、コロンビア大学で博士号を取得。英語圏における現代天皇制研究の第一人者として知られる。1994‐96年、北海道大学法学部助手・講師。現在、米オレゴン州のポートランド州立大学教授。同日本センター所長
木村剛久[キムラゴウキュウ]
翻訳家、編集者。1948年兵庫県高砂市生まれ。早稲田大学政経学部卒業。共同通信社で長年、書籍の編集を担当した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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