朝日選書<br> 紀元二千六百年―消費と観光のナショナリズム

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朝日選書
紀元二千六百年―消費と観光のナショナリズム

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  • サイズ B6判/ページ数 303,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599728
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0321

内容説明

神武天皇による建国から二千六百年とされた1940年、大日本帝国では万世一系をたたえるさまざまな記念行事がくり広げられた。帝国臣民は定時に宮城を遙拝し、皇国史を学び、愛国歌・作文の募集に応じ、聖地を訪れ、催事を見に出かけた。神社を拡張整備する勤労奉仕もいとわなかった。こうした大衆参加を促したのは国だけではない。新聞社や出版社、百貨店、鉄道会社などの民間企業も祝典をビジネスチャンスととらえていた。帝国全土にわたる消費と観光を支えたのは近代ナショナリズムである。

目次

序章
第1章 国史ブーム
第2章 大衆参加と大衆消費
第3章 聖蹟観光
第4章 朝鮮観光
第5章 満洲聖地観光
第6章 海外日本人と祖国―海外同胞大会
結び

著者等紹介

ルオフ,ケネス・J.[ルオフ,ケネスJ.][Ruoff,Kenneth J.]
1966年、米国ニューヨーク州生まれ。ハーバード大学卒業後、コロンビア大学で博士号を取得。英語圏における現代天皇制研究の第一人者として知られる。1994‐96年、北海道大学法学部助手・講師。現在、米オレゴン州のポートランド州立大学教授。同日本センター所長

木村剛久[キムラゴウキュウ]
翻訳家、編集者。1948年兵庫県高砂市生まれ。早稲田大学政経学部卒業。共同通信社で長年、書籍の編集を担当した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

28
昭和15年、戦争中なので「贅沢は敵だ」的暗い時代を耐えていたと思いがち。ところがなんと国を挙げての神武天皇ブームに沸いていた! 目白押しのイベントに人々が詰めかけた。皇国史本ブーム、デパートの催事。宮崎や奈良へ聖地巡礼、朝鮮や満州へ史跡ツアー。消費や観光と案外レジャーを楽しむ中産階級の姿。著者はアメリカの学者さん(専門は近代天皇制)。面白いところに目を付けた! 学術書だし翻訳ものなので多少読みづらいけど補って余りある楽しさ。解説は原武史。樫原神宮って今もあんの?と調べてみたら今パワースポットだってさ。2018/04/30

makoto018

12
小林信彦の自伝的小説「ぼくたちの好きな戦争」。その前半では"勝ってる時の戦争を楽しむ"庶民が描かれている。本書の作者レオスは、日本の戦時中は「暗い谷間」ではなく「光と闇」だったと述べる。つまり、民衆の支持なしに戦争は続かないしファシズムには民衆の関与が必要だと。愛国精神を育む目的の「紀元二千六百年」は厭戦気分のガス抜きに止まらず、国史ブーム・大衆参加と大衆消費・観光を巻き起こした。こうして日本は、学者、マスコミ、百貨店、旅行会社、自治体を巻き込んで庶民とともにファシズムに向けて螺旋状に駆け上がっていった。2022/11/03

あまたあるほし

6
以前、中公新書からでた『皇紀万博オリンピック』とは違う視点から1940年の日本を描く。特に3章から始まる観光と植民地の部分はこれまでにない視点で興味深い。これは違うなと思うところもなきにしもあらずだが、全体は読みやすい。当時の最大の輸送機関は鉄道だが著者の考察はまだまだ。と、思っていたら解説で原武史ががっつり書いている。至れり尽くせり。2011/01/08

sendagi1130022

4
戦前大衆消費社会の最高潮としての1940年を、観光を中心に据えて、帝国内の異国としての植民地や本土外日系社会と「大和民族」の範囲についてなど、広く論じていて興味深い。一部首肯しかねる点はあるものの、この時期は決して「暗い抑圧の時代」ではなく、民衆が半ば自発的かつ無自覚に国家と国民という概念への信仰を、レジャーを通じて楽しみながら育んでいったということの一端が躍動感を持って垣間見える。2011/02/23

unterwelt

2
紀元二千六百年、1940年は暗い谷間の時代ではなく、ナショナリズムが消費と観光を支えた「明るい」時代だったと分析している。小林信彦の著作で「戦前が暗い時代ではない」という事は知っていたからそこに驚きはないが、百貨店の催事や聖地への観光が盛んだったことには驚いた。それにしても作られた聖地に観光客を呼び込もうという姿は、今の「聖地」にファンを呼び込もうという姿勢と重なってしまってなんだかなぁ、と思ってしまう。もっとも安易な同一化は避けるべきだし、なんだかなぁと思っても行ってしまうのだが。2016/04/19

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