内容説明
映画『戦場にかける橋』で知られる泰緬鉄道の捕虜収容所。第二次世界大戦時に動員されたアジアの労働者を含め10万人以上が死んだ労働酷使と悲惨な現場環境と、そこで生存をかけた人間の意思が、英国人捕虜画家による100点超のカラー画と手記から鮮やかに浮かび上がる。東京裁判判決から60年、連合軍の元捕虜たち被害者の側から手をさしのべる歴史和解にわれわれはどう応えるか。日英歴史和解研究の小菅信子、日韓和解研究の朴裕河、ビルマ研究の根本敬による、アジアの視点から考える鼎談も収録。
目次
解説 泰緬鉄道から歴史和解へ(一冊の画集;捕虜画家ジャック・チョーカー;チョーカーの作品の価値 ほか)
手記 英国人捕虜が描いた収容所の真実(1942年1月‐2月 シンガポールの陥落;1942年2月‐10月 チャンギとシンガポールの労働収容所;1942年10月 タイへの列車旅行と北部への行進 ほか)
鼎談 泰緬鉄道とアジア(映画『戦場にかける橋』の影響;泰緬鉄道の記憶;コリアンガード ほか)
著者等紹介
チョーカー,ジャック[チョーカー,ジャック][Chalker,Jack]
1918年ロンドン生まれ。画家。第二次世界大戦で日本軍の捕虜となり、泰緬鉄道の建設などで労働を強いられる。この間、日本兵の目を盗み、記録画を残す。王立美術学校絵画学部卒業。王立芸術家協会会員。チェルトナム女学校美術部長、ファルマス美術デザイン学校長、西イングランド美術学校ブリストル校長、同校美術学部長などの職を歴任。現在、グレート・ブリテン医療画家協会フェロー
小菅信子[コスゲノブコ]
1960年生まれ。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士課程修了満期退学(文学修士)、ケンブリッジ大学国際研究センター客員研究員を経て、山梨学院大学法学部教授。『戦後和解』(中公新書)で第27回石橋湛山賞受賞
朴裕河[パクユハ]
1957年ソウル生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、早稲田大学大学院日本近代文学専攻、博士号取得。韓国に帰国後、夏目漱石、大江健三郎、柄谷行人の翻訳など、日本近現代の文学・思想を紹介。現在、世宗大学日本文学科副教授。『和解のために』(平凡社)で第7回大佛次郎論壇賞受賞
根本敬[ネモトケイ]
1957年生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業、同大学院比較文化研究科博士後期課程中退(文学修士)。1985年から87年に文部省アジア諸国等派遣留学生としてビルマへ留学。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授などを経て、上智大学外国語学部教授
根本尚美[ネモトナオミ]
1971年生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。書店勤務、福祉施設勤務を経て翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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