内容説明
9・11以後、アラブ世界は大きな注目を集めてきた。私たちが漠然とイメージするアラブ世界には、ハリウッド映画の影響が少なからずある。ハリウッドが発信するアラブ像はいつしか「グローバル・スタンダード」と化し、世界各地で受け入れられてきた。古くは『シーク』から、『アラビアのロレンス』、ディズニーのアニメ『アラジン』、そして最近の『ミュンヘン』『ユナイテッド93』に至るまで。そのイメージの連なりからは、アメリカのアラブに対する誤解、偏見、侮蔑、願望、さらには中東戦略や国家プロパガンダも見えてくる。ハリウッド100年を振り返り、「アメリカ映画からは見えないアラブ」「ハリウッドが描かなかったアラブ」を読み解く試み。
目次
1 聖書世界とアラブ/イスラム
2 アラビアン・ナイトの世界
3 十字軍の幻想
4 アラブの目覚めと「ロレンス伝説」
5 『シーク』狂騒
6 征伐されるアラブ人
7 テロリストたちの肖像
8 映画のような「戦争」と「テロ」
著者等紹介
村上由見子[ムラカミユミコ]
作家(表象文化、エスニック研究)。東京大学大学院客員教授を経て、現在は慶應義塾大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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