朝日選書
ハリウッド100年のアラブ―魔法のランプからテロリストまで

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  • サイズ B6判/ページ数 354,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599155
  • NDC分類 778.253
  • Cコード C0374

内容説明

9・11以後、アラブ世界は大きな注目を集めてきた。私たちが漠然とイメージするアラブ世界には、ハリウッド映画の影響が少なからずある。ハリウッドが発信するアラブ像はいつしか「グローバル・スタンダード」と化し、世界各地で受け入れられてきた。古くは『シーク』から、『アラビアのロレンス』、ディズニーのアニメ『アラジン』、そして最近の『ミュンヘン』『ユナイテッド93』に至るまで。そのイメージの連なりからは、アメリカのアラブに対する誤解、偏見、侮蔑、願望、さらには中東戦略や国家プロパガンダも見えてくる。ハリウッド100年を振り返り、「アメリカ映画からは見えないアラブ」「ハリウッドが描かなかったアラブ」を読み解く試み。

目次

1 聖書世界とアラブ/イスラム
2 アラビアン・ナイトの世界
3 十字軍の幻想
4 アラブの目覚めと「ロレンス伝説」
5 『シーク』狂騒
6 征伐されるアラブ人
7 テロリストたちの肖像
8 映画のような「戦争」と「テロ」

著者等紹介

村上由見子[ムラカミユミコ]
作家(表象文化、エスニック研究)。東京大学大学院客員教授を経て、現在は慶應義塾大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

6
ハリウッドが誕生以来、アメリカ映画の中で描かれてきたアラブ人の変遷を通じ、アメリカ人のアラブ観を問う内容。19世紀以来のエキゾチズムに基づく、アラブ人と言えば男も女も「野蛮で好色」というステロタイプなキャラ設定は百年経っても余り変わらない。というか、観客の側はそれ以外の描写を求めていないのだろう。アラブ人とセットで登場することの多いユダヤ人の描写と対比させてみると、尚の事、興味深い。この本を読んでから、例えばハリウッドの聖書劇「十戒」とか「キング・オブ・キングス」を観ると、今までとは違った印象になるだろう2013/12/04

ヴァン

5
 面白い本である。ハリウッド映画がサイレントの頃から意識的にアラブ世界の人物をいかにステロタイプに描いてきたかを、映画をたどりながら解析する。一見、無邪気に思えるアラビアンナイトの世界を描写しても、そこには、狡猾と好色、野卑なアラブ人像が画面に刻印され、その時代の国際情勢が影を落としていたというユニークな分析が展開する。アメリカがイスラエルに肩入れする以上、その対比から敵役としてアラブ世界はおぞましく描かれ、ハリウッドも国家意志には逆らえないという論旨である。昔は敵役はドイツ兵、今はテロリストである。2020/03/09

Gen Kato

3
ハリウッド映画にとどまらず、これまで欧米諸国の「眼」がいかに「アラブ」を読みかえて「物語」を生み出して来たかを検証した一冊。そして、その視線をそのまま無批判に受け入れている、観客や読者としての自分の無知と不勉強について、あらためて反省させられた。2016/04/15

Nunokawa Takaki

1
分かったのは多くが歪曲され誇張された考えに基づいた映画ばかりだということだ。ただ大衆受けするために見やすくしているという配慮もあるのだろう。自分のようにイスラムやアラブ世界に疎い人はとっかかりとして見ておくのもいいかもしてない。あまりアラブ映画は見た事がないが、この本で書かれている映画にはいくつか興味が湧き見たくなった。2014/03/26

メルセ・ひすい

1
8-35 赤127 アラブはそうなんです!★好色漢・血に飢えた嘘つき・性欲過多の変質者・不正で淫らなたくらみ・本質的なサディスト・腹黒い下等な人間・奴隷商人・ラクダ使い・強欲両替商・黒髭・頭巾カブリ・サングラス・石油が化けたリムジン・ハーレムで陰乱放題・油マミレ⇒ハリウッド映画の伝統的役割を映画の歴史と共にアジられた。●ホントデスか。こんなに歪めてアラーの罰が! 嘘です・・「アラビアのロレンス」論が好い! 私たちがイメージするアラブ世界には、ハリウッド映画の影響が少なからずある。2007/04/10

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