内容説明
戦時下にあっても、議会政治を命がけで守ろうとした政治家たちがいた。尾崎行雄、鳩山一郎、芦田均、片山哲、大野伴睦…。それまであった政党を政治家みずからが解散し、翼賛会になだれ込んでいく状況の中で、院内交渉団体「同交会」を中心とした彼らは、厳しい世論の批判や落選の不安、さらにはテロによる生命の危機にすら晒されながら、大政翼賛会や軍部に立ち向かい、憲法に基づく議会政治を死守しようとした。彼らは戦後、混乱期の政治にも大きな足跡を残す。総理大臣と衆議院議長を3人ずつ輩出、鳩山が中心になって結成した日本自由党は自民党の前身でもある。今、当たり前のように受け入れている議院内閣制と政党政治は、彼らが築きあげたといえよう。昭和を見つめ直し、政治家とは何かを考える。
目次
序章 同交会の活動と思想
第1章 「大正デモクラシー」の時代
第2章 軍部の政治的台頭
第3章 翼賛体制への抵抗
第4章 占領政治の諸相
第5章 鳩山内閣と保守合同
終章 昭和二十六年の再会
著者等紹介
楠精一郎[クスノキセイイチロウ]
1952年東京都生まれ。慶応義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。高崎経済大学教授を経て、東洋英和女学院大学教授。法学博士。専攻は日本政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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