朝日選書
違法の戦争、合法の戦争―国際法ではどう考えるか?

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  • サイズ B6判/ページ数 253,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022598820
  • NDC分類 329.6
  • Cコード C0332

内容説明

人類の歴史に戦争がなかった時期はない。なくならない戦争を前に、人類の英知は戦争被害を最小限にするため、戦地での傷者や病者の保護、捕虜の待遇、文民の保護、毒ガスの禁止など、戦争国際法を作ってきた。これがジュネーブ法として現在も継続されている法である。戦争が人類を滅亡させるほどの脅威となった20世紀、国際法は、戦争そのものを禁止とした。―しかし戦争はいまだになくならない。はたして戦争禁止は実現可能なのか。「戦争」と呼ばれない戦争状態を、国際法ではどう扱うのか。違法のはずの「戦争」勝者を誰が裁くのか。対テロ戦争は違法か合法か。国際社会は、国連は、「戦争」をどうとらえているのか。国内法との違いも踏まえ、国際法の立場から探る。

目次

第1章 なぜ戦争が行われているのか(平和希求のための「力」;「力」から「公権力」のもとでの秩序確立 ほか)
第2章 戦争は禁止されたはずではなかったか(国際連合はどのように戦争を禁止しているか;平和維持活動PKOという国連活動 ほか)
第3章 どんな戦争でも「人道」はあるのか(人道は越えてはならない最後の一線;なぜゲリラ・テロでも人道は確保されるのか ほか)
第4章 日本は戦争とかかわりなくいられるのか(戦後体制における地域主義;戦争禁止と戦争放棄 ほか)

著者等紹介

筒井若水[ツツイワカミズ]
1934年東京生まれ。東京大学教養学部卒、東京大学法学博士(国際法)。東京大学教養学部専任講師、助教授をへて、1979年東京大学教養学部教授、大学院総合文化研究科および法学政治学研究科担当。1993年一橋大学法学部(大学院)教授、1994年東京大学名誉教授、1997~2004年早稲田大学政治経済学部(大学院政治学研究科)教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ゲオルギオ・ハーン

22
国際法の歴史、そして戦争を国際法的に考えた時、少し踏み込んで日本の外交方針について考えた一冊。ユスアドベルム(戦争の原因についての正当性)、ユスインベロ(戦争手段の正当性の追求)の考え方は国際法の基礎だが、私は知らなかったのでこの点からすでに興味深く読めた。また、中立という立場を維持するには領土を戦争中の国から守る必要から自衛力、軍事力は必要というのが国際法における普通の考え方のようだ。安全保障理事会よりも総会の方が過激というのは最近の国際情勢を見ても納得する。2022/05/24

ただの晴れ女

2
国内法だと権力をもつのは国家だけど、国際法は各国家が対等という前提ゆえに、力を行使する根拠づけが不明確なのね…結局強い国に支持されれば勝ち、みたいなとこがあって数と力の世界なのか。第二次世界大戦みたいに、正義も結果論だしね。たしかにゲリラと解放闘争は明確な線引きをしづらいな。日本と人道法の絡みが面白かった。2012/12/17

かろりめいと

1
引き続き国際法のお勉強。国際法から見た「戦争と平和」の歴史。暴力をコントロールする絶対政府が実現することがない国際社会において、いかに戦争を規制していくのか、平和を構築していくのか。それは、日本にとって、国連べったりでも、アメリカべったりでもダメだという、いばらの道。この困難な現実に対して安直な結論に流れず、正面から立ち向かって一般人向けに丁寧に説明してくれる(ちと難しいが)著者の姿勢がスバラシイ。とても知的にスリリング。やっとPKOの重要性が分かった。面白かった。2019/10/07

tellme0112

1
憲法変えないまま、交戦権も認めないまま紛争に首突っ込むとき、戦争の定義も解釈でこねくり回すのだろうか。「これは戦争じゃない」「正当防衛」だとか。相手の戦闘員は「捕虜じゃないのでジュネーブ条約守る義務もなし」とか、言い出すんだろうか・・・と妄想。安倍政権になり、「自衛のための戦争」がより現実味を増していると感じる。読んでて、焦る。国連は無力なのか、と。ガザを思う。2014/07/24

ユヒ

0
"合法の戦争"ってなによ?と思い手にとった本。2011/11/11

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