内容説明
8世紀の唐・長安で「天の原ふりさけみれば春日なる」と望郷の想いを歌にした阿倍仲麻呂。同じ時期、異国の都で没した一人の日本人がいた。2004年秋、存在も知らなかった遣唐留学生「井真成」の墓誌発見に日本中が驚愕した。「井真成」とは誰か。長安のどこに住んでいたのか。何をしていたのか。玄宗皇帝との関係は?死因はわかるのか?誰が弔ったのか?日中の専門家が一堂に会した共同シンポジウムの激論を書籍化。最新データと考察から、一人の留学生の生きた「遣唐使の時代」を再現する。
目次
第1部 墓誌からわかったこと・わからないこと(新発見墓誌銘文と遣唐留学生・遣唐使;井真成の墓誌を読む;遣唐留学生井真成とその出自;「井真成墓誌」と第一〇次遣唐使 ほか)
第2部 井真成の生きた時代背景(中国・西北大学の遺跡遺物からみた唐代の日中文化交流;「井真成墓誌」を書道史から読みとく;唐の外国使節儀礼と「井真成墓誌」;唐長安城における迎賓施設とゲストハウス ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tanaka9999
10
2005年発行、朝日新聞社の単行本。24編。私としては墓誌の内容の議論よりも、時代背景の解説の方が興味深かった。ただ、一介の留学生に過ぎない人物がなぜ尚衣奉御が贈られたりしたのかは、解明される可能性は薄いかもしれないが、議論する価値のあることなのかもしれない。2023/07/03
hyena_no_papa
5
井真成墓誌は勿論興味深いが、敢えてこの本を読もうと思ったのは、本件に関連して巻末に紹介されている「杜嗣先墓誌」について知りたかったから。本墓誌には井真成墓誌に先んじて「日本」の文字が刻まれており、それは墓誌の主が日本からの遣唐使と関わったことを示しているという。井真成墓誌も遣唐使自身の墓誌であり、これらから遣唐使往来盛んな時代の日唐関係が窺える。稲荷山鉄剣の時も感じたが、顕著な出土文物が報じられると、実に多くの論考が出される。常日頃の研究の蓄積の膨大さを感じずにはおられない。2024/08/12
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