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朝日選書
生涯最高の失敗

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022598363
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0340

内容説明

「なんで私が?」…突然降って湧いたような授賞の知らせに驚く間もなく、はじまった「ノーベル賞シフト」。「43歳主任」の「変人」ぶりばかりを強調する報道に戸惑い、憤り、そっとしておいてほしいと念じてきた著者が、「理系の人間は、自分を理解してもらう努力が不足している」という自らの主張を実践するために、はじめて、エンジニアとしての人生を語った。ノーベル賞受賞が決まった日の混乱、授賞された発見の背景にあった「生涯最高の失敗」、励ましてくれた人たちのこと、ライバル研究者の公正な態度、企業のエンジニアとしてはたらくことの生きがい、チームワークの大切さ、独創性・創造性の源はなにか、など、はじめて明かされるエピソードと新たなメッセージを込めた、会心の一冊。

目次

1 エンジニアとして生きる(受賞が決まった日;受賞の「きざし」;たとえ小さなきっかけでも… ほか)
2 生体巨大分子を量る(生体巨大分子とはなにか;「質量分析」と「構造解析」;なぜ、たんぱく質を研究するのか ほか)
3 対談・挑戦と失敗と発見と(田中耕一×山根一真)(これからも、研究を;分子の重さからたんぱく質の種類を;たんぱく質のつくられ方 ほか)

著者等紹介

田中耕一[タナカコウイチ]
1959年富山県生まれ。1983年東北大学工学部電気工学科卒業。島津製作所入社。1985年「高分子のソフトレーザー脱離イオン化法」を開発し、87年に発表。1989年日本質量分析学会奨励賞受賞。1992年、1997~2002年英国のKRATOS GROUP Plc.およびShimadzu Research Laboratory(Europe)Ltd.に出向。2002年10月ノーベル化学賞受賞決定。11月文化功労者顕彰、文化勲章受章、島津製作所フェローに就任。12月ノーベル化学賞受賞。2003年1月より島津製作所田中耕一記念質量分析研究所所長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

27
自然への好奇心と畏敬の念。そして、”育む”出会い。澤柿先生と祖母が転機とも言える。自称サラリーマン技術者の氏が日本人の独創性を身をもって証明!特に、討論会でのコッター教授への反論が印象的。奥様が査読されるなど、周囲の支援と理解も、田中さんの人柄故と推察。質量分析の解説も、概念レベルで分かり易かった。蛇足だが、受賞当時、島津製作所に同姓同名が3名!?当時の社内の混乱もどこか微笑ましい。2014/04/21

おいしゃん

25
軽い伝記かと思いきや、意外に本格的な研究内容についての話で難しめ。2020/06/18

ヒダン

12
実験の途中の手順で失敗したけどもったいないからそのまま実験したら予想外に上手くいって、その結果ノーベル賞までもらった田中耕一さんの書き下ろし+講演録+対談。ノーベル化学賞受賞者なのに大学時の専攻は電気工学で、大学院に進まず企業のエンジニアとして化学系の研究をするようになったという事実は初めて知りびっくりした。少しずつ条件を変えてどうすればいい結果が得られるか試行錯誤を繰り返すのが大好きだという。成長の秘訣は常に120%を目指すこと。届かなくても落ち込まずに済むし、運よく成功すればどんどん成長していける。2016/06/04

うーさん

8
ノーベル化学賞を受賞された田中耕一さんの逸話が綴られた一冊。ノーベル賞は常人には理解できない数式を自由自在に操り、思いもよらない結論を導き出した人に贈られるというイメージが強かったが、製品に近いエンジニアである田中さんのノーベル賞受賞までの経緯を知ると、「天才は1%の才能と、99%の努力」なんだなと改めて思い知らされた。日本のエンジニアは本当に尊い存在だと感じるとともに、自分もその一員になりたいと強く感じた。2014/02/24

フロリゲン

6
何をした人なのかよくわかっていなかったが、同じ大学の先輩で同じ質量分析を扱っていて親近感があった。質量分析についてわかりやすく説明していて自分の専門分野を専門外の人に伝えるのがとてもうまい。それでもわかりにくいと言われてしまっているようなので、とっつきにくい分野なのだろう。日本と外国の新製品についての記述が興味深かった。日本は新しいんだから欠陥がないのが当たり前、海外は新しいので粗があって当たり前でこれから改良していく。失敗してはいけないと言うプレッシャーでうまく失敗をこなせないのは勿体無い。2021/01/28

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