内容説明
ヒトはかつて爬虫類だった。最初の哺乳類が誕生する前、われわれはどんな生き物だったのだろう。
目次
第1章 哺乳類型爬虫類とは何か
第2章 最古の哺乳類型爬虫類―盤竜目
第3章 巨大で鈍重な植物食獣弓目―ディノケファルス下目
第4章 もっとも繁栄した植物食爬虫類―ディキノドン下目
第5章 獣歯亜目の初期メンバーたち
第6章 多様性に富んだ獣歯亜目―テロケファルス下目
第7章 哺乳類への道をひた走ったキノドン下目
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぞだぐぁ
1
Twitterでタイトルを見かけたので図書館の書庫から出してもらって読んだ。フィクションや図鑑で恐竜とごったに描かれがちなディメトロドンなどを擁する哺乳類型爬虫類をその発生から終わりごろまで分かりやすく書いた良著。もう20年位昔の本ながら陳腐になっていないのは、恐竜ほど派手でないからあんまりニュースにならないテーマを取り扱っている性もあるかも知れないが専門書のように難解になりすぎないよう意識して書かれているからだろうか。2018/10/24
黒胡麻
1
強肉食性から半水棲、植物食までいろんなニッチに適応放散し、比較的小型の系統から哺乳類を生み出して絶滅したというパターンが、恐竜と鳥類の進化にちょっと似ていると思った。やはり古脊椎動物学の本の宿命か、歯骨や方形骨などの骨格の解剖学的記述の話が多く、そこが読みにくかったけど、それは仕方がないか。2013/05/18
har-kom
1
哺乳類がでてきたのは恐竜が絶滅してからというイメージがなんとなくありましたが、たしかにいきなり登場するわけはない。哺乳類のご先祖さまたちは古生代末のペルム紀にはもう単弓類として爬虫類(双弓類)とはちがう道を歩みはじめていたのだそうです。そしていろいろな種が生まれたり滅びたりしながら、哺乳類としての特徴を徐々に獲得してきた、その長い道程が詳しく書かれている本でした。1番印象に残ったのは母乳はもともと汗だったということと、古い哺乳類型爬虫類や現生の爬虫類の一部に見られるという第三の目、頭頂眼の件。興味深いです2010/11/11
印度 洋一郎
1
我らが哺乳類の祖先たる、哺乳類型爬虫類。概ね恐竜と十把一絡に扱われる影の薄い存在の、魅力的な世界を、金子隆一独特の親しみ易い語り口で紹介している。巨大な帆のような背びれを持つディメトロドンが有名だが、実は体毛を生やし、子育てをするなど、それまでの生物には無い能力を持っていた、新しい存在だった。しかし、三畳紀末の大絶滅で多くが姿を消し、恐竜にその座を明け渡した。研究の進展による最近の発見も多く、従来のイメージは書き換えられつつある。この本が出てから既に10年以上が経ったが、今はどうなっているのか?知りたい2010/07/17
gachin
0
単弓類の進化に関しては、おそらく最も詳しい日本語本。
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- 和書
- 秋 - その他