内容説明
自然と都市が調和した「風景」の喪失は、人々の「心」の喪失でもある。日欧の町並みの分析を通じ「人間のための自然」から「自然と共生する人間」への転換を呼びかける。
目次
1 風景とは何か(風景と少年期の原体験について;風景の旅について;都市風景の旅風景と文化について;芭蕉・真澄・柳田の風景の旅;風景はいかに定義されているか;日本語の「風景」にはどんな意味があるか;西洋語の「地域=風景」について―日本と西洋の比較;風景とは何か 風景の定義について)
2 都市風景と建築(都市風景の美について;日本の都市集落;近代市民階級の文化としての都市の創造;エッフェル塔その美の構造と意義;「近代建築」は都市風景を破壊する;「近代文化」の2つの顔)
3 都市風景とは何か―風景の構想力としての都市(環境視点から風景視点へ;文化情勢と問題意識の変化;文化の構造的ゲシュタルト〈たたずまい〉としての「都市風景」;日本の国土・土地・都市政策と風景の構想力の欠如;西ドイツの土地法と風景の構想力;日本の「歴史的風土保存法」と風景の意識;都市集落形成の原理―日本と西洋の違い;「都市風景の構造的ゲシュタルト」とは何か;「構造化」の2つの原理―「共同社会関係」と「利益社会関係」;「国民文化」としての「近代都市」と「都市風景」;風景の構想力について)