内容説明
ヨーロッパの町並みは美しい。周囲の自然風景と調和し、都市そのものが文化の作品と言えるような風景にまでなっているのは、なぜだろうか?
目次
1 ネッカール河岸の都市と風景(美しい大学町テュービンゲン;テュービンゲン大学の日本学科;クラハト教授との交流;「近代日本キリスト教及び思想史文庫」の設立事情;ヴェーバーの町ハイデルベルグの思い出;オペラハウスのことなど)
2 スコットランド風景の旅(スタルリング城とロッホリーヴン城;峡湾に心引かれつつインヴァレアリへ;スコットランドの地質構造;マリー湖とスリオッホ山の風景)
3 都市風景の美学(風景としての都市;風景における線のリズムとセザンヌ;都市再生と風景―ボローニャとフランクフルト;西洋人の風景感覚の原基色;ターナーとアルプスの風景)
結語 課題としての風景
感想・レビュー
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ヴェネツィア
356
著者の専門領域はマックス・ウェーバーのよう。本書は著者が1986年に(いささか古いが、ヨーロッパの都市景観を語るには不都合はない)チュービンゲン大学で1年間を過ごした時に(サヴァティカル?)ドイツで、あるいはスコットランドで感じたことや考えたことを綴ったエッセイ。これを読んで感心する(もしくは感嘆する)人も当然いると思う。しかし、私は気に入らなかった。まず、タイトルが甚だしく羊頭狗肉である。「美学」というからには、分析的な考察がなされるものかと期待していたのだが、全編これ身辺雑記的な随想に終始していた。2021/03/19




