内容説明
17世紀オーストリアの貧乏領主ホーベルク男爵の著した男のための家政学大全を読みながら、現代の男と女、家庭について考える。
目次
1 家政は本来男のものだった
2 ホーベルクの家政学
3 主婦の職場から(主婦の家事労働;産業革命と「主婦」の変化)
4 ロココを見直そう(バロックとロココ;ロココの人間像―カザノヴァ/サド侯爵/ヴィーラント/サヴォイ公子オイゲン)
5 つくられた虚像
6 女と男の家政へ(家政学はおもしろい;家庭をほろぼしたくない)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
2
飯塚先生再読中。記述は簡単で読みやすいのですが、これも語られていることがとても深くて、難しい。しかし、個人的に目を引いたのは近代以前の流動的な性差が指摘されている件です。そもそもすべての人が男と女に明快に分かれるという考え方に違和感があるので、スペクトラムとしての性差を感じる理解の仕方にとても共感を覚えました。滲みの部分を我慢できず、明快な線引きを押し付ける幼稚な感性は人間の人格をすり潰し、誠実な努力を嘲笑する暴力です。人間には先天的な差異を確定するほどの力は無いという謙虚な姿勢こそ最低限の良心です。2014/06/13
MIRACLE
0
ホーベルクというオーストリア貴族が領地経営をまとめた家政書、『貴族の地方生活』(初版は1982年の発行)とその関連領域(ロココ)の紹介にくわえ、現代の男女や家庭のあり方についても、とりあげた本。本書は、話題の空間的、時間的なばらつきがひどい。そのため、一冊の本としての一貫性を欠いている。また、男女や家庭のあり方について、本書のように、時代の異なる事象を一緒くたにして考えることは、時代錯誤であり、有益な試みとは、とうてい思えない。二つの出版社が出版を断ったのも、無理はない内容だった。2013/03/07




