出版社内容情報
現在望むべくもない豪華な顔ぶれが、古典を原典から精密に読み込み、定評を得た中国古典選。文庫本による決定版を今回久しぶりに選書で復刊する。第一回は総監修吉川幸次郎氏の代表作「論語」。下巻末に便利な名句索引を付す。
内容説明
著書がいまここに企図するところは、「論語」の各条につき、従来の諸家の説の上に出て、新説をのべようとするのではない。われわれの祖先、それはひろく極東の国国にもまたがっての祖先が、ひろく読んで来た書物であるだけに、祖先たちが普通に理解して来た説にもとづきつつ、この書物を読むということ、それを趣旨とする。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tai
18
古きを知りて今を知らざる陸沈、陸上での溺死。今を知りて古きを知らざる盲瞽/人に対する愛情を持つもののみが、本当に人を好むことも悪むこともできる/君子は愛のために過ちをおかし、小人は残忍のために過ちをおかす/素朴なひたむきな誠実、それだけでは完全な人間ではない。学問をすることによって、人間ははじめて人間である。人間の任務は「仁」すなわち愛情の拡充にある。また人間はみなその可能性を持っている。しかしそれは学問の鍛錬によってこそ完成される。愛情は盲目であってはならない/士は以って弘毅ならざる可からず。2021/12/25
カインズ
1
【論語を深く学ぶ】孔子が生きていた時代の文化や人物の説明がなされている。論語の解釈についても著者の見解だけでなく、さまざまな説を紹介している。各説を比較検討して読むことで、論語を読むことの楽しさと奥深さを味わえる。論語についての理解を深めることができる一冊だと思う。2011/05/14
賽子
1
★★★★★・・・論語関連本は数えられないくらい出ているけど、実はその原著の意味はもやは失われてしまっています。なにしろ論語成立は今から2500年も以前、その600年後には、もう何が書かれているか正確には解らなくなっていたのです。この本は、くだらない人生訓を垂れるのではなく、2000年に渡る論語研究の面白さを教えてくれます。
ろな
0
初めて読むときは、まず書き下しのみを繰り返し読むといいかもしれません。解説は予備知識がないと難易度が高いように思います。最近素晴らしさを再認識させていただいています。2013/10/25
Mitsuhiro Uji
0
古注、新注、さらに日本の儒学者の注まで網羅した解説は素晴らしい。ただし、取捨選択は完全に吉川氏の好みが優先されている。2013/02/07